ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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戸保ノ木隧道

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戸保ノ木隧道の取扱説明書

県道715木田神崎線に存在する唯一の隧道である戸保ノ木隧道。かつては大断面を誇った跡が残るが、今は大型セダン1台がギリギリガールズの狭いコンクリのトンネルに改修されている。しかし幸運にも片側坑口及び坑内の半分は竣工当時のまま残されている。それを見る限り当路線がかなり古くから使われている事が分かる。いったいいつ頃突かれ、いつ頃改修が行われたのか謎多き物件であるが、隧道そのものは単なるテボッチャーにつき、掘り下げて調べるほどの魅力は感じられない。

 

戸保ノ木隧道

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

御所峠を越す旧県道から派生した未知なる県道715木田神崎線は代替ルートの無い現役の県道である。旧県道と離れた瞬間、いきなり完全1車線の簡易コンクリ道の、それも180度のヘアピンコーナーは、強引とも思える凄まじい掘割から始るのだ。強烈な起点でいきなし先制パンチを喰らわす県道が、それほど距離を稼がない地点で早くも素敵なアトラクションを用意している。右カーブを

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描く前方左手に、突如現れる高さ制限標識。高さ制限?って事はその先にトンネルがあるって事か?初めてここを訪れた時分が夕暮れ迫るデンジャラスタイムであった事も手伝って、心臓の鼓動は高鳴った。待てよ、ここは現役の県道だ。少し待っていれば誰か通るかも知れない。しかし待てど暮らせど誰も通りやしない。やばい、日が暮れる、タイムアウトだ。そして勇気を振り絞って

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ヒョイと覗いてみた。うわぁ〜でたぁ〜!テボッチャーだ。路面が簡易コンクリという時点で、怪しさは満点であったが、現役の県道に存在する現役の隧道を始めて目にした瞬間であった。坑門は一切の装飾を施されていない大分県では良く見られる貫通1本勝負の車両さえ通せればそれでいいという男気のある機能一辺倒な隧道である。この隧道の存在はここを訪れる遥か以前から

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知ってはいた。それは市内のとある酒屋に寄った時、置いてあった配達用の地図を何気に広げ、パラパラめくっていた時に偶然目にしていたのだ。市内からギリギリ配達エリアに入る戸保ノ木という集落に通ずる道の途中には、小さな隧道が記載されていた。しかしその路線が県道であるかどうかまでは分からなかったし、土地勘のない場所において戸保ノ木という場所がいったいどの辺に

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位置しているのかさえ分からなかった。何しろ業務用の馬鹿デカイ地図だ。縮尺も相当なものだったから、かなり曖昧なままインプットされていた訳だが、当路線の起点に設置されている進入を躊躇わせるような物騒な看板の中に、戸保ノ木隧道の名を見た瞬間、我が低性能勘ピューターが作動した。恐らく戸保ノ木という聞きなれぬ名称がどこかに引っ掛かっていたのだろう。記憶の彼方に

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埋もれていた戸保ノ木隧道が今こうして目の前にあるという現実、しかもそれが現役の県道の隧道であったという巡り合わせは鳥肌ものであった。まさかこの隧道に呼ばれた訳ではあるまいな。反対側の改修された坑門は、興奮状態にあった僕を一瞬にして落ち着かせるほどつまらぬものであった。しかしコンクリのブロックをあてがわれたような坑門上部には、かつての名残が

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現存しており、改修前はかなり巨大な断面を有していた事が分かる。また現在なら切り通しにしていたと思えるほど稜線は近いが、あえて隧道を突いたという事は、戸保ノ木隧道が相当古いものである可能性がある。正体がほとんど掴めぬまま後ろ髪引かれる思いではあるが、僕は先を急いだ。

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