ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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福島県道380号岳温泉大玉線(4)

★★★

 

福島県道380号岳温泉泉大玉線の取扱説明書

最近では林道以外で砂利道を見る機会はほとんどなくなってしまった。林道でさえ開通と同時に舗装化されてしまう昨今、なんと安達太良山の裾野に砂利道の県道がひっそりと存在するのだ。地図上からはまさかダート県道とは思わなかったが、これが行ってびっくり見てびっくりのサプライズ県道であった。何故いまだに当路線が無名のままなのか不思議でならないが、そこには砂利道マニアが泣いて喜ぶロングダートが確かに存在するのだ。

 

福島県道380号岳温泉大玉線4

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

北海道のようなどこか懐かしくもある牧歌的な風景から始まった当路線は、一旦樹海へと身を隠したあとはとうとう最後の最後まで日の目を見る事はなかった。起点から県民の森まではまだ良かった。幅員もそこそこあるし、明るく開放的で未舗装県道を充分満喫する事ができた。しかし後半戦に入るとその道程は一般的な未舗装林道と何等変わらず、視界の開けない鬱蒼とした樹海の中を

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ただ黙々と進み続ける事に苛立ちさえ覚えるのだ。何故か?一番の大きな理由は停止と発進を何度も繰り返し、この道を本当に心から楽しめていない事にある。もしもこの路線を調査としてではなく、林道ライダーらしく一気に走破したらどうだろうか?そりゃぁ楽すぃに決まっている。随分昔にこの道を通った時を思い出しても、良い印象しか残っていないのだから。しかし今こうして細かく

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撮影をしながら進む事に苦痛さえ感じてしまうのである。確かに未舗装県道は珍しい。最初はただそれだけで満足できた。しかし単調な景色に距離の長さも手伝って、次第にどうでも良くなってくるのである。感覚が麻痺してきたと言ってしまえばそれまでだが、やはり砂利道は一気走りしてなんぼのものではないだろうか。当路線がつまらない理由はそれだけではない。もうお気付きの方も

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おられよう、この路線は道路遺構がほとんど見られないのだ。確かにヘキサだけは異常なほどの数を備えている。しかしその他の付帯設備はほとんど無いに等しいのだ。もっと言えばこの道には歴史が全く感じられないのである。一里塚や道祖神などの道標が全く存在しないのは勿論の事、興味深い橋梁も無ければ隧道も無い、峠もなければ茶屋跡もない。なんと言っても起点から

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終点まで人家がひとつもないのである。勿論そんな路線にバスが走っているはずもなく、いったい誰の為に何の為にこの県道は必要だったのだろうか?そう、その意味不明な一点こそが当路線唯一の売りなのだ。状態としては単なる岳温泉大玉林道なのである。山肌の斜面を縫うようにして安達太良山の麓を横断する県道が、単に林道からの格上げでしかない事は、走ってみればよく

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分かる。何等かの理由があってこの道が県道へと格上げされたのだろうが、今回の実走調査ではその理由は分からなかった。行き止まりの県道146にT字路でぶつかる直前まで未舗装路は続いた。恐らくこの道を常用的に利用する人は皆無に等しいと思われる。この日もすれ違ったのは僅かに軽トラ1台である。もしこの道を通らねばならぬ明確な目的をひとつ挙げよと問われたならば

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この答え以外は考えられない。それは砂利道を堪能する為である。超大穴予想ではあるが、県は県民の森に通ずる林道を県道に格上げし、県の管理下へ置いた。その目的は生涯当路線を舗装化せずに、砂利道として残す事にあった。かくてそれを意思表示する為の標識が設置された。理由はどうあれ今後も舗装化されない事を祈る。

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