ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>旧道電撃ネットワーク>南東北>山形>花立峠(宮城山形県道63号最上鬼首線)

花立峠(宮城山形県道63号最上鬼首線)(3)

★★★★★

 

花立峠(宮城山形県道63号最上鬼首線)の取扱説明書

花立峠にも遂にその日はやってきた。永らく宮城県側だけが舗装化されたに留まっていたが山形県側にも舗装化の波が否応なしに訪れた。記録するなら今しかない。東北からまたひとつ貴重な未舗装県道が消え去ろうとしている。

 

花立峠3

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

残念ながら工事車両が既にスタンバっている。路面状況は以前と異なりしっかりローラーで固められていて、未舗装路の末期状態である。県境で土とアスファルトにしっかり分離していた花立峠も次に訪れる時には味気ないアスファルトによってその全てを覆いつくされているのだろう。宮城側はワインディングロードとして

image003

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

とっくの昔に完成しており山形側もいずれこのようになってしまうのは間違いありません。宮城側はひとつの完成された形でありダート時代を見た事がないので比較のしようがないのだが生まれたての雛が初めて見るものを親と認識し、例えそれが人間であったとしても違和感がないのと同じで、初めて見た光景が現在の状況と

image005

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

同じであり、故に宮城側に関しては特に舗装未舗装に対する拘りはない。むしろマッチしているようにさえ見える。という事は詰る所目の前で変化しようとしている事には敏感で遠い昔に成されてしまった事は既成事実として頭の中で処理され、場合によってはそれで良しとされる。なんだかさっきから当たり前の事を延々と語って

image007

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

いるようにも見えるがその通りである。だがその当たり前と思われる部分に物事の本質があるような気がしてならない。今、広島の十方山林道が舗装化の危機に直面している。未舗装林道の舗装化、これは今に始まった事ではなく全国至る箇所で当たり前に行われている。舗装化したがる行政、未舗装のまま残したい利用者が

image009

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

真っ向から対立した形だが今までは行政側の理由だけで全てが決定され利用者は成す術もなくただ諦めるしかなかった。かくて誰が通るの?という山奥まで舗装化されてゆく事となる。それは既に異常な事であり舗装化が本当に必要な箇所とそうでない箇所をしっかりと見極めるべきであったのだが好景気というのも

image011

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

後押しして特にメスを入れる者もいなかった。だが不景気の財政難である今だからこそ行政を動かし根底から考え直させるチャンスではないのかと。高速道路と未舗装路が混在する世界に我々はいる。全てをアスファルトで覆い尽くすも舗装未舗装が混在したまま将来へ引き渡すのも我々のさじ加減ひとつで決まってしまう。

image013

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ORRに与えられた使命、それは日本の道の現状を洗い浚い出し尽くす事。それを見て各人が考える場を提供する事。全てがアスファルトに覆いつくされるその前に。

花立峠2へ戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ