ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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吹上峠(3)

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吹上峠の取扱説明書

東京都における最後の切り札であり、リクエスト開始以前からラブコールの多くかった全国区の大物物件が眠る吹上峠を、今日まで引っ張るだけ引っ張って熟成させてきたが、もはや醗酵を通り越して完全に腐ってしまった感も否めない。一番の懸念材料は招かれざる客にどう対応するのかという一点であったが、最近になってどうやら我々が最も招かれざる客である事に気付いてしまったので、そろそろ解禁してもよかろう遅漏ヤダ早漏という事で、教科書には載らない東京都が誇る歴史的遺構をしかとその目で見るがいい。

 

吹上峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

坑門を抜け振り返ればそこは見事な竹林に覆われており、嵐山に舞台を移したかのような錯覚さえ覚える。吹上峠が完全なる廃道であるならば、寿命を迎えた竹が折り重なるようにして道を塞いでいるはずだが、そんなものは1本も転がってはいない。そればかりか今にもスバル360が砂煙を巻き上げて峠道を登坂してきても不思議でないほど良好な整備状態で、反対側の

吹上峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

登山道か旧旧旧道かと錯覚させるような道程とは対照的に、目の前には快適な自動車道が続いていた。これだ、これが吹上峠に始めて自動車の通行を許した車道本来の姿なのだ。緩やかな勾配でまったりと続く砂利道は、反対側もかつて同じ道程であったはず。しかし管理されたのは片側のみであった。実は隧道を抜けてすぐ右側には古い建物がある。骨組みだけが残され

吹上峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

畳は外されていて底が抜けてしまっている。位置的には茶屋跡と考えられるが、明治隧道と供に歩んできた茶屋であるならば昭和中期の路線切り替えまで営業していた可能性はある。それにしても各地の茶屋跡が跡形もなく消え去っている中で、骨組みだけとは言え現存しているのだから恐れ入る。まあ茶屋でなかったにしても、一部に畳が残っている事とその形状から

吹上峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

倉庫や作業小屋という類ではなく、確実に人家であった事だけは間違いない。母屋とは離れた場所に便所が別に設置されていて、それが旧旧道沿いに面しているので、廃屋よりも先に目に入るのが便所である。それも便器以外の囲いは全て木の板で出来ているという年代モノで、それらが今でも下手に残っているものだから、吹上峠にあらぬ噂がまかり通っているのだろう。

吹上峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

廃屋にレンガ隧道というこれ以上ない強烈タッグに、何もないですよでは何故か説得力に欠ける。そこに殺人事件なんかを適当に結び付ければあら不思議、今度は充分な説得力を持ち、信憑性を帯びてくるのだ。そうやって次々とパッと見強烈で個性ある隧道群があっち系のターゲットにされてきた。勿論そうやって話を作っていかないと食って行けない人達がいるという現実

吹上峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

問題もあるから、事は簡単ではないのだが、旧旧道沿いには今でも人家があり、住人にとっては迷惑な話である事だけは間違いなく、お気の毒としか言い様がない。起点から砂利道で始った旧旧道は、隧道内部もダートのままで往年の姿をそのまま残し、それは下りの途中まで続いた。人家が見えるとほどなく路面はアスファルトへと切り替わり、そこから先は生活道路として

吹上峠

ビストロORR(日刊ORRへの御案内)

現在も利用されている。道中に離合箇所は全く無く、現役時代はいかに交通量の少ない山道であったかが良く分かる。それでも相互通行が可能な昭和隧道の必要性を感じた末期の頃は流石に殺気立った状態だったのかも知れない。大型車両が頻繁に行き交う現道から見る明治の道は、ほとんど近所の裏道にしか見えない。

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