ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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北海道道136号夕張新得線(6

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北海道道136号夕張新得線の取扱説明書

へなりに多大なる影響を与えた道、北海道道136号夕張新得線。この道を知らずして北の大地を語るなかれ。96年荷物満載ソロでの通過、01年荒れ狂う道道136内にてエンジン停止、屈辱の晩秋緊急ビバーク。テントもない、シェラフもない、そして食料さえもない状況下で、気温は氷点下に達した。今にして思えば、生きて還れたのが不思議である。そして“北の国から2002”での完全制圧。これは廃道突破に命を賭けた男達の記録である。

 

北海道道136号夕張新得線6

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一旦河原へバイクを下ろし再び道道に上るという方法しかない。しかし河原へ下ろしたのはいいが、何とした事か、河原から道道に上る事が出来ない!何度トライしても崩れた土砂は柔らか過ぎて埋まってしまい途中で止まってしまうのだ。何度も何度もトライしたが結果は同じだった。そして怖れていた最悪の事態がやってきた。

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夕暮れである。しかも道道ではなく川原でだ。何とか這い上がろうとするロリエに中止命令を下した。緊急ビバークだ。この時の判断は間違っていなかったはずだ。これ以上もがく事は無駄なガソリンの消費、無駄な体力の消耗それに伴う空腹感の増大とこれ以上の悪あがきでいい事はひとつもない。直ちに周囲に散乱している枝という枝を拾い集めた。

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急がねばならない。周囲が暗闇に包まれる前に。幸いロリエがライターを持っていた。これがまた使えないライターだった。中身はほとんど空でローラーを回しても10回に1回程度のつきの悪さ。ただ神は我々を見放さなかった。早朝もらったティッシュが1箱づつある。まずはティッシュで火種を作り小枝を燃やす。

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なかなか火がつかず焦ったが小枝に何とか火がついた。続けて中太の木をそっと載せ生命線である火種を消さないように空気を送り込み中木への引火を試みる。やがて煙が立ちボッと引火した。よっしゃ!気付くと周囲は闇に支配され気温は一気に下がっていた。焚き火により最悪の状況は脱した。食料はポケットに小さなロールパンが1個だけあった。2人でそれを分け合った。

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喉が渇いてきたが水はない。川の水はエキノコクスが心配で飲めない。だがこの時持参していた水筒が浄水機能付きであり、天は我々を見放さなかった。時々するガサガサという音に怯えながら夜更けまで語り明かした。何を話したのかは覚えていない。寝るのが怖かったからかも知れない。

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寝てしまいもしこのまま目を覚まさなかったら、心の片隅でそう思っていたのかも知れない。雲ひとつない三日月の夜で無風ではあるが気温は間違いなく氷点下だった。うたた寝程度の我々に再び朝陽はやってきた。川面は靄に包まれていた。体力を消耗しないように念入りに3時間かけて工事をして何としても1発で道路へ引き上げたかった。

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神に祈った。ヘナリワン3回のトライで奇跡的に道路上に上がった。ロリエワンもそれに続いた。無我夢中だった。そして我々は生還した。

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