ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>廃道電撃ネットワーク>北海道(道央)>空知支庁>北海道道136号夕張新得線

北海道道136号夕張新得線(5

★★★★★

 

北海道道136号夕張新得線の取扱説明書

へなりに多大なる影響を与えた道、北海道道136号夕張新得線。この道を知らずして北の大地を語るなかれ。96年荷物満載ソロでの通過、01年荒れ狂う道道136内にてエンジン停止、屈辱の晩秋緊急ビバーク。テントもない、シェラフもない、そして食料さえもない状況下で、気温は氷点下に達した。今にして思えば、生きて還れたのが不思議である。そして“北の国から2002”での完全制圧。これは廃道突破に命を賭けた男達の記録である。

 

北海道道136号夕張新得線5

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

突貫工事はあくまで突貫工事でありその場限りの期間限定でありその場でバイク2台が通過できればいい程度の造りで厳密に言えば時間限定である。つまり通過後は再び壊れてもよく、帰りの事なんざこれっぽっちも考えちゃぁいない。抜けきる事を前提として入ってきており戻るはめになろうとは、はなっから頭にないのである。

image003.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

これが2人で行く時の恐ろしい所。2人だから何とかなるという妙な安心感からまだ行けるまだ行けると思い込んでしまう。ひとつだけロリエに教え忘れていた事がある。それは引き返す勇気とそのタイミングである。死んでしまったら元も子もない。この大事な事を教える事なくここまで来てしまったのだ。実はこの他にも

image005.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

いくつもミスを犯している。帰る事を全く想定していなかった事。それに伴う突貫工事もしっかり造り込んで来なかった事。帰るタイミングを誤った事。どんなに夜遅くなろうともカニの家に帰ると決めていたので全ての道具を置いてきてしまった事。当然夕張側に抜けきる事を想定していたので食料は持ち合わせていない。15

image007.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ジャストに我々の目の前に立ちはだかる決定的な土砂崩れの前にやっと目を覚まし、今自分達の置かれた状況を冷静に判断する事が出来た。例え目の前の強烈な土砂をクリアしたとしてもその先に同じ様な決壊箇所がもう1箇所あっただけで完全なるゲームオーバー。だとすればすぐに引き返さなければならない事は誰の目にも

image009.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

明らかである。だがしかしリターン不能地点まできてしまっていたとはこの時まだ分らなかった。というより戻れないかも知れないとは考えたくなかったといった方が正しい。今だから言えるが正直最悪の事態があったらロリエの親になんて言って謝ればいいのか考えていた。10月間近の北海道の山中テントもないシェラフもない

image011.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

食料もさえも。自分がここで息絶えたとしてもそれは仕方のない事。だがロリエを巻き込んでしまった事に対する後悔は悔やんでも悔やまれなかった。とにかく出来る限りの事をやってみよう。残された時間はあと1時間。果たして戻れるのか。Uターンし突貫工事で造った箇所を再び修復しなおし慎重に突破する。アクシデントは

image013.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

命取りだ。とにかく無駄な時間は1分たりとも許されない。そして我々の目の前に崩れてきた土砂が路面を塞ぐどころか川原まで到達している大崩落現場が現れた。我々に残された時間はあと僅か。いよいよ生還へのカウントダウンが始まった!

道道136号線6へ進む

道道136号線4へ戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ