ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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姫侍峠(姫川林道)(1)

★★★

 

姫侍峠(姫川林道)の取扱説明書

幾多の旅人がこの林道に挑み、そして散っていった事だろう。この道で悪戦苦闘し、悶絶の末引き返しを余儀なくされ、僅かに与えられた束の間の休日を奪われただけでなく、心身共にボロボロにされた挙句、出発前北海道を有意義に周回すべく綿密に立てられた計画も、ことごとく変更を迫られ、キャンセル=キャンセル料発生プラス代替宿は全て満室という至れり尽くせりのシステムで貴重なひと夏が奪われた人は僕が知るだけでもかなりの人数に上る。なしてそこまでして姫川林道へ人は挑むのか?その魅力に迫る。

 

姫侍峠(姫川林道)1

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

海沿いの国道から姫川林道へのアプローチとなる2車線の真新しい道道が延びている。姫川林道には数箇所の進入経路があるが、今回は最もポピュラーな路線をチョイスした。道内では見慣れた4桁表示のヘキサも本州から初めてやってくる者には少なからず衝撃を与える。僕だって初めはそう。うぉ〜4桁だよ〜4桁と、誰もいないのに見えない誰かに向かって、その感動を伝えていた。

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しばらく続いた快適な2車線路も、やがて最終集落の外れではすっかり縮小され、かつての道幅に戻ってしまう。交通量は全くと言っていいほど無く、村はゴーストタウンかと思えるほど静まり返っている。洗濯物が干してあり、確実に人の温もりは感じられるのに、人っ子ひとり姿が見ないのは不気味ですらある。しかしそれは珍しい事でも何でもなくこのような地区はどこも似たり寄ったりの状況だ。

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だいたい国道沿いでさえも数十kmに渡り自販機のひとつもないような場所なのだから、このような場所で人と接触する方が難しいのかも知れない。幅員は2車線から1.5車線へと狭まり、そしていよいよ路面はアスファルトが途切れ、ダートへと切り替わる。いよいよだな。ここまでは何の意識もせずに流してきたがこの先は少し気を引き締めねばならない。

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単なるフラットな砂利道と侮ってはいけないのだ。これから挑む相手はそれなりに手強い。それにここは本州ではない。道中単車が不調を訴えれば、それは最悪死に直結するし、自身もベストコンディションでなければ生命の危機に瀕する状態まで陥る可能性も充分に有り得るのだ。そして最悪を想定した食料や飲料水は確実に補充されているかも確かめる。

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ただでさえ過積載のヘナリワンで突っ込む訳だからネジ1本緩んでいれば、姫川林道の極悪路面を相手にして、荷物共々無事にゴールに辿り着ける確率は極めて低いと言わざるを得ない。これが日帰り圏内の道南ライダーであれば話は別だ。愛車の整備はばっちりで空荷とくれば、近所の裏山へアタックする感覚で、二人以上なら逆に楽しめるのかも知れない。

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一度は狭まった砂利道も再び拡幅された。そこにはヘキサが設置され、ここから道道と記されている事から、この地点までは砂利道の道道であった訳だ。これまで何度か通ったこの道だが、砂利道開始地点が姫川林道の起点かと思っていたが、そうではない事を今回の調査で初めて知った。道道の終点であるこの地点から姫川林道が開始されるのであって、まだスタート地点にも立っていなかった訳だ。

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道道と林道の差は歴然であった。ここまでの道程とは明らかに異なる路面状況を前にし、あの日の悪夢が甦る。進むべき先は見るからに耶馬渓で、封印していた過去のおぞましい記憶が徐々に首をもたげ、少々武者震いした。しかし敵が本性を現すのはまだ先だ。

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