ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>廃道電撃ネットワーク>北海道(道南)>檜山支庁>姫侍峠(姫川林道)

姫侍峠(姫川林道)(2)

★★★

 

姫侍峠(姫川林道)の取扱説明書

幾多の旅人がこの林道に挑み、そして散っていった事だろう。この道で悪戦苦闘し、悶絶の末引き返しを余儀なくされ、僅かに与えられた束の間の休日を奪われただけでなく、心身共にボロボロにされた挙句、出発前北海道を有意義に周回すべく綿密に立てられた計画も、ことごとく変更を迫られ、キャンセル=キャンセル料発生プラス代替宿は全て満室という至れり尽くせりのシステムで貴重なひと夏が奪われた人は僕が知るだけでもかなりの人数に上る。なしてそこまでして姫川林道へ人は挑むのか?その魅力に迫る。

 

姫侍峠(姫川林道)2

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

起点から見ればみすぼらしいほど貧弱な道と化してしまったが、それは道道と林道の違いであるからして仕方がない。最近の工法では林道の方がグレードの高い道路を遥かに上回る規格で、着工される事も珍しくなく、構想段階から2車線のスカイラインまっ青なフル規格という、これまでの常識とはかけ離れた道路が全国で次々と誕生している。

image003

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

僕のような旧タイプの人間には林道=1車線の砂利道という定説があり、開通時から2車線のアスファルトで覆われた道路を林道で〜すとか言われても今市ピンと来ないのである。その点姫川林道ときたらどうだ、両側から迫り来る植物の勢いそのままに、大きめの自動車であれば三擦り半では済まされず、擦り捲りは必須業務となるアドベンチャーロードだ。

image005

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

海抜ゼロmからスタートしどれ位増したのか判断は付きかねるが、緩やかにそして確実に上昇の一途を辿る姫川林道も、目指すべく稜線を視界前方にはっきりと捉えると、その懐目掛けストレートに突き進む。直線区間は見通しの良さに加え、普通車同士が離合出来そうな待避所も用意されている事で、デフォルトは完全1車線ではあるけれど対向車を意識せずに済む。

image007

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

長らく続いたダラダラ坂も山塊の懐に潜り込むと、いよいよ本格的な登坂を開始する。この林道、面白いのは勾配がきつくなる地点から、ほぼ山頂に至るまでの間、幅員が広くなり、それまでの狭さは一体何だったの?と拍子抜けしてしまい、一瞬気が緩む。しかし騙されてはいけない。これが姫川林道の恐ろしい所。幅員はそれまでとは一転し拡幅され、どこまでも電柱がトゥゲザーする。

image009

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

法面を補強するコンクリのブロックや注意を即す警戒標識など、そこかしこに出現する人工物のオンパレードに、あんりまぁ〜この先にもすかして別荘地でも出来たんだべか?と思うようなシチュエーションなのだが、それらに何度騙されてきた事か。前半戦で植えつけられるこの安心感は、かえって邪魔なだけなのだ。

image011

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

それは後半戦の凄まじさを助長するだけであり、姫侍峠に待ち受けるギャップの激しさに人はおののき、時には恐怖し、子供でなくとも泣き叫ぶ。そして99%の輩が再びこの道を戻って行くのだ。ここを上り行く誰しもが、抱く幻想。それは上りの良好な整備具合に、もしかして通り抜けできるようになったのかと抱く淡い期待。もうそうやって何年もの間幾多の人々が騙されてきた。

image013

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

しかしここらへんでそろそろORRが終止符を打たねばなるまい。地図によってはいまだに通り抜けられるように記載されている姫川林道の実態を明かす時が、刻一刻と迫っている。いよいよ目指すべく姫侍峠の稜線が見えてきた。とうとう最後の最後まで対向車は現れなかった。そりゃそうだろ。何故なら・・・。それは次章で明らかとなる。

姫侍峠3へ進む

姫侍峠1へ戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ