ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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坂下峠(神大滝林道)(1)

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坂下峠(神大滝林道)の取扱説明書

中京圏と関西圏の間に、どうしても越さねばならぬ難所がある。ある国道は隧道にて、またある道は鞍を直に跨ぎ、その難所を越して行く。国道から林道に至るまで様々な道が、二つの大都市圏を分断するその山脈に付けられた。東海道の難所として知られる鈴鹿峠を筆頭に、酷道の代名詞とも言える石博峠など話題に事欠かないこの山脈に、史上稀に見る極悪路線が付けられている。その路線名称を神大滝林道という。ここにORRのルーツがある。今明かされるへなり誕生夜話、今宵その全てを話そう。

 

坂下峠(神大滝林道)1-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

背後に薄っすらと見える橋梁が現道で、コーナーを描いている道が旧道。ここは我が国において最も重要とされる路線が、今まさに峠に差し掛かろうとしている直前にあたる。コーナー部から派生する1本の枝道、これが後にORRという我が国の道路史に残る異業を成し遂げるルーツになろうとは、その当時は夢にも思わなんだ。十数年ぶりに訪れた当路線は特に変わった様子も

坂下峠(神大滝林道)1-2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

なく、ほぼ当時のままの雰囲気ではあるが、確か林道標識は設置されていなかったと思うのだが、気になったのはその点くらいなものか。一見何の変哲もないどこにでもありそうな林道の入口であるが、僕はいまだにこの場所を忘れられないでいる。あの日の記憶は今も鮮明に思い出す事があるのだ、嫌な汗と供に。初めて二輪の免許を取得しその足で行き付けの自転車屋さんへ

坂下峠(神大滝林道)1-3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

向かった。そこは自転車と原チャリがメインの店で、これまではチャリンコのパンク修理などでたびたびお世話になっていたのだが、フフフ今日から違うのだよ、バーイセコではないのだ。んなもんは卒業だ。ましてやおばちゃんが乗るようなスクーターでもなければ、郵便屋さんや新聞屋さんが乗るようなカブでもない。もっと遠くへもっと早く、時には高速道路をかっ飛ばし、中央フリー

坂下峠(神大滝林道)1-4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ウェイ♪とか口ずさんでみたりなんかしてキャハッ!夢見る少女じゃいられない状態のルンルン気分で軽やかにスキップしながらいつもの店に向かう僕。そこで目にしたのがピカピカのCRM80であった。勿論その日店に到着したばかりの卸し立て、御主人の手垢もまだ付着していない、それはもう純白のドレスに身を包んだ花嫁に見えましたよ。僕は店に入るなり開口一番御主人に

坂下峠(神大滝林道)1-5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

発した。お父さんを僕に下さい!じゃなくて、CRM80を指差してこれ下さいと。御主人はあんた本気?誰がモンキーやねんと和やかな雰囲気で会話も弾み、即断即決にて手に入れたのがCRM80であった。実はこのCRM80、手放す最後の最後まで砂利道を踏む事は一度もなかった。オフ車なのにオフロードを走らない、いわゆるモタード状態ってやつね。この時僕は若かった。

坂下峠(神大滝林道)1-6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

林道のりの字も知らなかったし、納車後に高速乗れねーじゃん!と気付くという大歩危をかます始末。結局ドナドナされ、次にやってきたのがスティード400であった。今度は間違いなく高速乗れるっしょ。遂にまともな翼を得た僕は自然と全国へ羽ばたいた。しかし砂利道とは無縁で、綺麗なアスファルトを流すのみで、本当の道にまだ出会ってもいなかったのだ。そして僕の運命を

坂下峠(神大滝林道)1-7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

決定付ける三代目がやってきた。TW200である。奇しくもアメリカン、TW、モタードと僕が跨ってから、約十年の時を経てブームが訪れている事から、今から十年後に廃道ブームが訪れる事はほぼ間違いない。納車した中古のTWで早速西へと向かった。その先に空前絶後の抱腹絶倒ロードが待ち構えているとも知らずに。

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