ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)(4)

★★★

 

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)の取扱説明書

過去数年においてORRが当路線に監視の目をピカらせてきた訳だが、今もって現状復帰しないばかりか、年々荒廃の一途を辿り、もはや復旧の見込みは無いとの判断に至り、今ここに公開する運びとなった。但しそれは確定ではなく、いつの日か一般車が通行可能となる日が来るやも知れぬ。その時は当報告書がアーカイブとして機能する事になるだろう。いずれにしても月山周辺のラビリンス第一弾に相応しい謎多き町道の完全解明にORRが挑む!

 

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

我々は当路線を恒久的に不通とさせている決定的な箇所をクリアし、再び平穏な状況を取り戻した。なかなかあの凄惨な現場が語られる事のない理由のひとつに、容易に決壊箇所へ近づけさせまいとする巨大な倒木の存在が挙げられる。その前後にも人力で切断可能とは言え複数の倒木が立ちはだかり、それらが行く手を拒んでいるのだ。しかし今回の調査では

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

それら全てが取り払われており、これまでとは様相が全く異なっていた。決壊現場のほど近くには、かつて田畑であったような痕跡がいくつも見られた。中には崩壊を免れ、手を加えればまだ何とか住めそうな廃屋も残されていた。そして、道路脇には石碑が。かつてここに集落が存在していた事を示す石碑であった。人々はこの地を完全に捨て去ったのだろうか?

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

いや、そうではない。一度は捨て去った住民達は今でも時折この地を訪れている。彼等にとってここは生まれ育った紛れも無い故郷である。そう簡単に忘れ去る事なんてできやしないだろう。もう何年も不通となって久しいこの道が藪漕ぎ必須の完全な廃道と化していてもおかしくはない。それがどうだ、路面周辺のみならず廃屋や石碑の周囲に至るまで

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

完璧に除草されているではないか。村を去っていった人々は好き好んでこの場所を離れていったのではない。何等かのやむにやまれぬ事情があったのだろう。そして毎年この場所に戻ってきては手入れをし、風化させないようにしているのではないか。廃村を過ぎた後も町道はしばらく上昇を続けるが、この緩やかなコーナーにて諦めた。そうここが三本杉峠である。

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

結論から言ってしまえば、三本杉峠までは逆側からであれば普通車でも充分到達は可能であった。ただ峠を越し廃村を過ぎた辺りで例の決壊現場に阻止され、通り抜けができなかったという訳だ。決壊現場までは両側から進入する事は極めて容易であり、ただ車両で通り抜けるのは、限りなく不可能に近いという事である。切り通しの三本杉峠には車一台分の

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

転回場所が用意され、轍跡が複数刻まれていた。見通しの利かない1車線の三本杉峠に人の気配は全く感じられず、かつては一定の車両が行き来したと思われるも、路線途中にある村が廃村と化した事で町道間に点在する村同士の交流も途絶え、今となっては三本杉峠を越す意味もなくなってしまった。そうなると三本杉峠を含む町道自体の存在意義が問われる訳だが、

三本杉峠(朝日大江町道沢口勝生線)4-7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

峠を越し少し下った地点で真新しい補修箇所が現れた。峠より先当路線を管理する町が変わった事で標柱には町道荒沢線と記されていた。当路線を分断するアノ決壊箇所以外は両側から確実に補修工事が進んでいる事が分かった。果たしてこの先三本杉峠は全通するのだろうか?今後も生暖かく見守ってゆく必要がありそうだ。

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