ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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小峰峠

★★★

 

小峰峠の前説

東京都最後の難所とも呼べる小峰峠も遂に新トンネルが完成し小峰隧道は現役を退いた。路線バスに乗務員さんが同乗している風景は都内においては過去のものとなっているが東京の外れにある小峰峠では半ば公然と乗務員さんが同乗し、運ちゃんが一人で対処できるようなぬるま湯峠ではなくそれなりの難所であり、西東京バスの運転手を最後まで苦しめた。そんな小峰隧道の今を訪ねてみた。

 

小峰峠

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真新しい小峰トンネルの手前にかすかに残る白線が路線変更前の道であった事を物語っているがそれも既に消えかけようとしている。現在はフェンスにより完全封鎖され車両での進入は一切不可能である。勿論ヘナリワンも全く進入する事ができず今回は歩いての調査となる。いったい小峰峠を何度越えた事だろう。初めて小峰峠を越えたのは真夜中で真っ暗な山中に突然現れる不気味なトンネルにギョッとしたものだ。

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2回目からは随分慣れたが、道路に対して全く関心のない小僧に小峰峠は東京のはずれにある不気味なトンネルと見通しが悪く狭い山道という印象だけで、当時新トンネルが出来ていたとしたら旧道の事など一切考える事なく走り易くなったと、ただ単に喜んでいただけだろう。何度も通った小峰峠への道は全く手が入らなくなった現在、信じられないような惨状であった。路面が陥没しているとか落石があるとかではない。

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落ち葉が散乱堆積し放置プレー全開なのだ。塵ひとつ落ちていないと言ったら大げさだが夜中にやってくる清掃車が来ないとほんの数年でこうまで荒れ果ててしまうものなのかと改めて驚いてしまう。あのカーブを曲がれば小峰隧道があるはず。小峰隧道を抜けるとすぐにある小峰峠の看板に、ここが峠である事を知る。夜中は小峰隧道に肝試しに来る連中や峠小僧、 珍走団などで昔は結構賑っていた。

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夏の夜などは若者達だけの世界だった。あの頃みんな若かった。今では小便垂れ流し、おならのつもりが身が出ちゃったり、会話中入れ歯が外れたりと大変な事になっている。いよいよ隧道を抜けたここからが本番の始まりとなる。突然の1.5車線の極狭道にえっ?と初めて通過する誰もが躊躇する。勿論地元車両は何事もなかったかのように走り抜けて行く。

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そして大型車通行禁止の標識とともに設置されている看板の一文に目が点になる。バスが通ります注意して下さいバスってあのバス?ここバス通んのかよ?ってか大型車通っちゃ駄目なんじゃないの? ってかここ東京だよね。これは許されるのか?世界の東京がこれでいいのか!

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その時は真夜中だった事もありバスと遭遇する事はなかったが後日昼間に通行した時遂にこの小峰峠の極狭道でバスと未知との遭遇をする。生涯でたった一度きりの経験であったが今でもエアブレーキでプシュッ!プシュッ!と凄い音を立てて目の前で止まったのを覚えている。隙間がほとんどなく

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幅員いっぱいいっぱいバスは道路上に立ちはだかる壁のようであった。ドライバーもバスの運転手もどちらも命がけと言ったら大袈裟かも知れないが常に緊張を強いられていた事は間違いない。新トンネルが完成した事でどんなに安心して走れるようになった事か今では近所の方が散歩などで利用したりする程度で下界の喧騒とは絶縁状態の静かな峠となっている。

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