ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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権兵衛峠(2)

★★★

 

権兵衛峠の前説

国道361号線の権兵衛トンネルの開通により、茅野−高遠−伊那−木曽福島の“さだ馬刺し”ルートが遂に日の目を見た。2つの峠を含む分断された国道が、新規格ルートで完全に結ばれたのだ。権兵衛の呪いという呪縛から解き鼻垂れた酷道の今を訪ねた。

 

権兵衛峠2

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権兵衛峠1520mである。南箕輪村に入り少し下った所に車が数台駐車できるスペースと展望台が設けられている。ここからの眺めは抜群で晴れている時はそれなりに交通量も多い。但し峠を含むこの旧道区間に自販機は一つも存在しない。これが権兵衛峠を容認できない第二の理由である。

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この道の本当に酷な区間は南箕輪村側である。峠から見えた伊那の里が進めど進めど到達しないのだ。峠からはすぐに里に下りられそうな感じだが峠から国道の終点である西箕輪までは果てしなく遠い。誰もがまだかよ!って突っ込みたくなる長く狭い道が延々と続く。まさに権兵衛の呪いとしか言いようがない。

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峠を越えると南箕輪村飛地という区域に入り経ヶ岳2296mの山肌を縫うように回り込み伊那市とどんどん離れていく。そして再び近づいて伊那市に入ったと思ったらまた離れての繰り返しで、急いでいる者を容赦なく失意の底へ叩き落す。諦めろとばかりに道も益々狭くなり、ゴンベぇーからお仕置きだべぇーにグレードアップ!

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かくて西箕輪へ辿り着いた時にはヘロヘロになり、東京の某ツーリングクラブでは下道で帰るはずがメンバーの一人が発狂して伊那インターから高速に乗ったのはいいが逆の名古屋方面に向かって消え去ったという事例も報告されている。幾多の人々に過渡のストレスを与えてきた権兵衛峠。

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伊那市に入ってしばらく走ると市道で建設途中のR361新ルートに降りる事も可能だが、その分岐に辿り着く前に思考回路が完全に停止しており惰性で下っていく人が大半を占める。放心状態と化したドライバーに旧道らしい松並木が清涼剤のように現れるが、もはや手遅れである。疲れきったドライバー達は否応なく中央高速に引き込まれる。

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もはや一般道を走る気力が残っていないのだ。それ程の厳しさを与える権兵衛峠も2本の長大トンネルによって快適な国道として生まれ変わろうとしている。旧道として静かに第二の人生を送るというよりは国道指定される前の静かな道に戻ると言った方が正しいのかも知れません。

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あれだけ嫌いだった権兵衛峠ルートも急いでいる時とそうでない時が選択出来る事により数年後訪れた時には好きになれるのかも知れません。

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