ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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清内路峠(1)

★★

 

清内路峠の取扱説明書

長野と岐阜に跨る神坂山にその昔多くのオフローダーを奈落の底に突き落とすそれはそれは恐ろしい峠道があった。今でこそ舗装化され走る価値は半減以下になってしまったその峠の名を神坂峠と言う。そいつを避けて同じ様な道筋を辿るとなると、飯田太平の両峠を繋ぐ太平街道か、国道の清内路峠しかない。もっともリッチマンなら中央道の恵那山トンネルにて一瞬にして抜ける事が出来るが、貧乏神を祀る僕には無縁であり、当然下道を走る事になる。神坂と飯田太平と清内路と三つの峠を使い分けてきたが、もっとも印象に残らないのが、ここ清内路峠である。ルート内で唯一の国道という事もあるが、印象を曖昧にしてしまう理由が峠の形状にある。切り通しだったかトンネルだったのかさえ思い出せない清内路峠が旧道化したのを機に、十数年ぶりに訪ねてみた。

 

清内路峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

清内路峠に新トンネルが出来た。それを知ったのは最新の地図を手に入れてからで、それはつい最近の事である。脳内運行記録によれば、僕は清内路峠を越している。勿論その頃は峠がどうこうと言うより、どれだけ未知なる道路を走り尽くせるかが焦点であったから、当時の僕にとって清内路峠は単なる通過点に過ぎない。従って当時の記憶は曖昧である。微かに残る記憶を辿れば

清内路峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

当時の面影が僅かながらに浮かんでは来るが、それが不思議な事に峠の形状が切り通しだったのか、トンネルだったのかという決定的な相違さえ導き出せないほど遠い過去のものとなっていた。僕の若年性痴呆症が進行しているのか、はたまた峠自体が記憶に残らないほどつまらない物件だったのかは定かでないが、そのお陰で本物件はフラットな状態で挑む事になった。峠の形状を

清内路峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

思い出せないのだから当然道中の線形なんて催眠療法でも引き出せないほど右から左へ抜けてしまっているに決まっている。旧道に入り込むと、何もかもが新鮮であった。旧道に入ってすぐに人家が現れ、洗濯物が干されている事から実際に人が生活しているようだが、人の気配は感じられない。駐車場が空になっているので恐らく出掛けているのだろう。ここへ至る現道沿いにも人家は

清内路峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

ほとんど見当たらなかっただけに、旧道に入ってすぐに現れた生活臭の漂う人家を見て、こんな僻地でもちゃんと生活している人がいるのだなと感心してしまった。昼間だからツーリング気分でふらっと立ち寄れる場所だが、夜ともなれば静寂の中に時折獣の奇声が闇夜を切り裂く不気味な空間と化すような場所に、ポツンと1軒だけ人家が佇む姿は何とも寂しく映る。もっとも本人達にとっては

清内路峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

何ともない事なのかも知れないが、眠らぬ街で育った者としては、こんな場所で夜を迎えるなんて事は考えられない。結論から言ってしまえば、その人家が清内路峠に最も接近する家屋で、それ以上先に実際に人が住んでいる建物はおろか、茶屋跡や廃屋の類も一切見られなかった。そこが最終人家である事は峠に向かう前から分かりきっていたのだ。何故ならばその人家を回り込む

清内路峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

ようにして旧道は180度ターンするのだが、ターンし終わった直後に、鉄パイプのゲートが立ちはだかったからだ。ゲゲッ!この先で何かやってるやがる。どう見てもダンプと思わしき泥付きのタイヤ痕が刻まれていて、ゲートも簡単に開閉できる状態にある。工事だ。現場のおいちゃん達と接触するのは面倒だな。だがこっちも生活がかかってるんで、ハイそうですかって簡単に引き下がる訳

清内路峠

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

にも行かんのよね。という訳で当然の如しゲートを突破。カーブの手前でいちいち減速し、恐る恐る先をチェックしながら前進を試みる。だが行けど暮らせど工事をしている様子はない。そうこうしているうちに清内路峠と思わしきV字の切り込みが見えてきた。あっさりか?と思ったら前方からチビダンプが降りて来るではないか!やべぇ、逃げろ!

清内路峠2進む

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