ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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清内路峠(2)

★★

 

清内路峠の取扱説明書

長野と岐阜に跨る神坂山にその昔多くのオフローダーを奈落の底に突き落とすそれはそれは恐ろしい峠道があった。今でこそ舗装化され走る価値は半減以下になってしまったその峠の名を神坂峠と言う。そいつを避けて同じ様な道筋を辿るとなると、飯田太平の両峠を繋ぐ太平街道か、国道の清内路峠しかない。もっともリッチマンなら中央道の恵那山トンネルにて一瞬にして抜ける事が出来るが、貧乏神を祀る僕には無縁であり、当然下道を走る事になる。神坂と飯田太平と清内路と三つの峠を使い分けてきたが、もっとも印象に残らないのが、ここ清内路峠である。ルート内で唯一の国道という事もあるが、印象を曖昧にしてしまう理由が峠の形状にある。切り通しだったかトンネルだったのかさえ思い出せない清内路峠が旧道化したのを機に、十数年ぶりに訪ねてみた。

 

清内路峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

しかしチビダンプの動きが止まった。どうやら峠から降りて来るのではなく峠付近で作業をしているようで、少々移動した程度でエンジンは切られた。まだ現場の人間に僕の存在は気付かれていない。どうする?峠はもう目と鼻の先だ。ここまで来て引き返すのは実にアホらしい。工事現場のおっちゃんとはこれまでに幾度となく衝突し、時には掴み合いになり、時には互いの主張を尊重し、

清内路峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

時にはベットを供にした事もある。道路を追求する為なら時にはハードな肉弾戦も覚悟せねばならない。そこだけはなりませぬ!それだけはいけませぬ!そんな山仕事に従事する男達の挽歌ズブリ逝くわよで通行許可を得た道も数知れず、人知れず突破しているだけと思ったら大間違いで、地道な交渉術によって黙認してもらった事も多々あるのだ。チャリでさえ毛嫌いする監督さんもいれば

清内路峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

四輪でさえ通してしまう寛大な監督さんもいて、対応の仕方は現場の状況や監督の機嫌によっても大きく左右され、こればかりはアタックしてみないと何とも言えない。ネゴシエーターへなりはヘナリワンを置き去りにして、徒歩で接近し現場監督との接触を試みた。旧道巡りをしていて峠の写真だけ撮らせて欲しいとお願いをすると、あっさりOKであった。工事内容は法面の補強で、特に

清内路峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

通行には支障が無いとの判断だろう。それにしても旧道化したのに補強とは何の為だろうか?現道でさえ交通量は極小なのに、旧道を好んで通る車両などあるはずがない。旧道を何等かの形で今後も使うのだろうか?現場の様子から清内路峠の廃道化は無いと判断できる。旧道化して間もないせいか、おにぎりもそのまま残され、まるで現道のようだ。現場が背後に見えなくなった所で峠が

清内路峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

見えてきた。あれ、清内路峠ってトンネルなの?遠目からはトンネルに見えたそれは、スノーシェードであった。その姿はトンネルを掘ったんだけど、上に被さっていた土がどっか行っちゃったみたいな感じである。確かにここは雪国に属する。積雪もそこそこあるだろう。だからスノーシェードを施したのも当然だと思う。ただ腑に落ちないのは清内路峠は間違いなく切り通しの峠なのだ。

清内路峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

それも実幅4車線以上もある巨大な切り通しだ。だがしかし実際に道路として機能している幅は、普通車同士の離合がやっとの狭いもので、ひとたび大型車が入ろうものなら、対向車はそれが抜け出るまで待たねばならない。見た目は巨大な切り通しなのに、実際に使われているのは狭い2車線。どうしてこのような形状になってしまったのだろうか?清内路峠はもっと狭い切り通しの

清内路峠

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

峠であった。土質が脆く崩れ易いがゆえに、峠を通行する者は常時危険に晒されていた。そこで峠にシェードを設置してみた。つまりこれはあくまで仮説だが、清内路峠のシェードは雪に対する策は副次的なもので、落石防護が主目的で設置されたものではないだろうか。

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