ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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清内路峠(3)

★★

 

清内路峠の取扱説明書

長野と岐阜に跨る神坂山にその昔多くのオフローダーを奈落の底に突き落とすそれはそれは恐ろしい峠道があった。今でこそ舗装化され走る価値は半減以下になってしまったその峠の名を神坂峠と言う。そいつを避けて同じ様な道筋を辿るとなると、飯田太平の両峠を繋ぐ太平街道か、国道の清内路峠しかない。もっともリッチマンなら中央道の恵那山トンネルにて一瞬にして抜ける事が出来るが、貧乏神を祀る僕には無縁であり、当然下道を走る事になる。神坂と飯田太平と清内路と三つの峠を使い分けてきたが、もっとも印象に残らないのが、ここ清内路峠である。ルート内で唯一の国道という事もあるが、印象を曖昧にしてしまう理由が峠の形状にある。切り通しだったかトンネルだったのかさえ思い出せない清内路峠が旧道化したのを機に、十数年ぶりに訪ねてみた。

 

清内路峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

緊急措置的な手段としてまずは、シェードを設置してみた。どれくらいの落石まで耐えられるのか分からないが、シェードだけでは危険であるとの結論に達し、切り通しは後年になって大幅に拡幅され、現在のような姿になった。これが現場の状況から僕が導き出した結論である。あくまで仮説であって全く見当違いである可能性もある訳だが、基礎のコンクリが割りと新しく、この道が旧道に

清内路峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

なる直前まで手が加えられていた事も充分に考えられる。というかだな、今もって旧道を補修している所を見ると、もしかしたら旧道化した後に改修されたなんて事も有り得るかも。現道時代に清内路峠を通過しているにもかかわらず、全く峠の様子を思い出せないのは、夜間に通過した可能性もあるのだが、峠の中途半端な構造にも原因があるのかも知れない。シェードを抜け下りへ

清内路峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

転じようとするが、何故かそこにゲートが立ちはだかった。コンクリのブロックにガードレールを装着し全ての車両を遮断する大変強固なゲートだ。旧道に進入した直後に現れるバリケードは工事の為のもので、工事が終れば取っ払われる簡易なものだ。しかし峠に設置されたゲートは、いかなる車両も通さないという強い意志が感じられる。工事さえなければ通常なら峠までは到達可能という

清内路峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

事である訳だが、何故片側だけが止められているのだろう?片や現在でも補修されているというのに、片や必要無しとの判断を下され廃棄された道。このように峠よりどちらか一方が廃止されるケースは決して珍しい事ではない。もしも峠のゲートが開閉式であったならば、管理は続けるが一般車両は通したくないと採れるが、人力では動かし難く、ほぼ固定されたに等しい状態のゲートを

清内路峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

見るに、これより先現道へと続いているであろう道の将来は無い。つまり廃道である。となると閉ざされた区間がどのようになっているのか、しかとこの目で確認し、記録する必要がある。強固なゲートも僕の前では無抵抗に等しく、あっさりとヘナリワンの通過を許した。さあ、どれだけ凄い状況が待ち伏せているのだろうかと内心ワクワクしながら下り始めたのだが、これが想像とは裏腹に、

清内路峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

全く普通の道であり今すぐ一般開放できるほど状態も良好である。それに本来残すべきはこちら側ではないかと思う。上りが1.5車線なのに対し、下りは完全な2車線である。どう考えたってこちらの方が使い勝手がいい。人家のあるないが関係しているのだろうか?というか現道と旧道が共存している峠も多い中、険しい訳でもなく崩壊や崩落がある訳でもない清内路峠は開放したままでも

清内路峠

ビストロORR(日刊ORRへの御案内)

良いと思うのだが、旧道を閉じた最大の理由は夜な夜な現れる峠小僧への策を目的としているのではないだろうか。下りの線形が彼等に好まれる状態にある事から封鎖したのではないか。出口側に設置されたゲートは関係者のみ通行できるように開閉式となっていた。どうりで整備状態が良好な訳だ。峠のゲートは面倒だがしゃーないか。

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