ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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本坂峠

★★

 

本坂峠の前説

東海道の迂回路として機能する姫街道本坂峠も現道がいまだに有料道路のままでボンビーは旧道走行を強いられる。その為本坂峠越えルートが現在も正規の国道で当然地図上では赤く塗られているが、何故か道中におにぎりがひとつも存在しないのが気になった。それが昔からないのか後年撤去されたのかは定かでない。よって現国道である時点で既に国道の痕跡な無いに等しく生きる屍状態である姫街道本坂峠。峠は隧道で越えており、これを目当てに旧道を通行する者も多い。峠からの景色は望めず道中も開放的ではなく峠越えルートそのものは妥当な評価に落ち着いた。

 

本坂峠

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そろそろこの国道も無料化されている頃ではないかと思ってこの地へやってきたが現在の関所とも言える料金所なるものがいまだに存在していた。この国道の峠に本坂トンネルが開通したのが昭和534月だからもう20年以上もダラダラと料金を徴収している事になる。とっくの昔に償還していてもいいようなものだが、いったいどうなっているのだろうか?

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大分県では有料の臼杵坂ノ市道路と同じく有料の湯平道路がとっくの昔に償還しているはずなのにその後も料金を徴収していた事実が発覚、急遽料金所を取り壊し無料開放、超過徴収した分に関してはメンゴメンゴという事で処理されたというお粗末な事件があったばかりだ。本坂トンネルも叩けば埃が出てくるかも知れない。本坂トンネルが見えた地点で現道とは全く規格の異なる狭い山道と化す。

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これでも現役の国道なのだ。何せ本坂トンネルが無料開放しない以上、峠越えルートが正規の国道であり、それまでは旧道というよりは地図上で赤く塗られる立派な国道である。茶畑に囲まれた国道は小刻みにカーブを繰り返し見通しは悪いし狭いしで、自動車なら素直にお金を払って本坂トンネルを通るのも良く分かる。

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本坂峠に達すると3車線程の広さになり駐車する事も可能だ。本坂峠は本坂隧道で峠越えを果たしていて本坂隧道開通以前の街道は更に上を通っている人道である。つまり本坂隧道の完成によりここを初めて自動車が通行した訳だ。時は大正4年であるから自動車道としての歴史も相当なものだ。隧道を抜けると茶屋跡と思われる更地があり、今では静寂な本坂峠もその昔はそれなりの賑わいを見せていたのかも知れない。

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この国道の前身は姫街道と呼ばれ東海道の裏街道として機能していたらしい。東海道は浜名湖と遠州灘の接点を通っている訳だが東京から大阪方面を目指す場合わざわざ海沿いまで下らなくとも浜名湖の北を回る方がショートカットになり、事実僕は喧騒な東海道を避け、本坂峠を越える事が多いのだ。

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車社会と化した今なら常に混んでいる東海道を避け交通量極小の姫街道を抜ける事はメリットがあるのだが、昔は当然人力だろうから比較的全線に渡り平坦な東海道を進むのが無難であり、本坂峠を越すには現代のショートカットという生易しいものではなく相当な覚悟を必要としたと思われ、安易に今回は本坂にすっか?という感覚ではなかったはずだ。

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大正になり隧道が突かれた事で本坂峠も本格的な自動車時代を迎え、昭和後期まで充分な役割を果たしたと思う。道中は1.5車線と狭いながらも場所を選んで対向車をなんとか交わせる程度だが、これでも人道から見たら劇的な変化であったはずである。しかし高度経済成長期以降の急速なモータリゼーションの発達には対応しきれなかったようだ。

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