ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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八草峠(3)

★★★

 

八草峠の前説

滋賀と岐阜の県境にかつて、そして今も人々に恐れられている峠がある。この界隈には「落ちたら死ぬ」の看板で、今ではすっかり有名となった温見峠や冠山峠などがあるが、本当に逝きそうになる度で言えば、ここ八草峠がダントツだろう。この道にトンネルが開通したのはほんの数年前であり、それまではこの道しか無かったと思うとゾッとする。ホント危ないんだってば。これがちょっと前まで現役の国道だった。お上はこの道を通行止めにし、あわよくば自然に決壊崩壊し、最初から危険な峠道など無かった事にしたい所だろうが、残念ながら取材は完了し、僕は勇気を持って外部告発に踏み切った。

 

八草峠3

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

これが八草峠の全景である。残念ながら全てを完全な形で収める事は出来なかったが、お地蔵様が建立されている場所の踏み込めそうな限界地点まで登って撮影したものだ。以前ORRデジカメはズームが搭載されておらず、扁額の撮影には時代錯誤のジャンピングショットをして凌いでいる事実を暴露したが、ここ八草峠でも思った。広角レンズも必要かと。

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ご覧の通り峠の形状は180度のUターンを描いている為、峠の全景を車道からでは把握し辛い。また県境付近に車両を置いて撮影しようにも、どの構図もいまいちで、車道から撮影したもので、たった1枚の画像にて八草峠を表現するには相当なテクが必要だ。よって滋賀福井のどちら側から八草峠を正面から撮影しようとも、当事者以外にはどこで何を撮影したのか意味不明なものになってしまう。

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実際に八草峠にて様々な角度から10枚以上撮影してみたが、パッとしない。天橋立のように逆さ撮りも試してみたが、更に意味不明な画像で、結局最も的確に八草峠を表現しているのが、Uの字を描く姿を上から捉えたものであった。このようなUの字型の峠は非常に苦手である。逆を言えば、キャメラマンの腕が試される形状でもあり、その弱点を克服しこのような形状をした峠をうまく捉えられるようになると一人前かと。

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さて岐阜側へ移るとこちら側も峠から尾根を越さない枝道が延びている。こちらは車両が頻繁に入っていそうな未舗装林道だ。当日も撮影中に岐阜側から上ってきた1台のジムニーが入って行った。やはり滋賀側のデンジャラスゾーンを避けているのだろう。岐阜側は滋賀側を味わった後では、全く物足りないものであり、炭酸の抜けたサイダーに等しい。岐阜側も確かに狭いのだ。

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ただ死に直結するような箇所は見られなかった。見通しの悪いトラバース区間は相変わらず長く続いたが、それとてあくびが出るような状態で、画像に収めたくなるような特筆すべきものも全くみられなかった。そうこうしているうちに八草川支流にぶつかり、橋を渡るとありきたりな1.5車線の快適な道になってしまい、少々拍子抜けしてしまう。上流に向かって魅惑の砂利道が延びていたが、地図上では抜けてなさそうなのでパスした。

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結局この峠道では旧道の遺構らしきものはほとんど見られなかった。おにぎりがひとつも残っていなかったが、現役時代に設置されていたどうかは疑わしい。唯一この古臭い橋だけが旧道っぽさを演出していたのだが、竣工が昭和34とあらば、何だかな〜って感じである。これが昭和1桁とかだったら食指も動くのだが、昭和中期の付け替えであったとしてもそれ以前のものが何も残されていないし、道中には石垣のひとつも見られなかった。

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結論は古い峠道ではないという事。権兵衛街道のように古道は別にあるとしても車道の歴史は浅い。それは峠の碑に刻まれていた国道昇格の文字からも明らかだ。林道からの昇格、だから歴史の匂いがない。よって魅力も感じられなかった訳だ。

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