ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>旧道電撃ネットワーク>東海>岐阜>花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン

花立峠(大谷スカイライン)(3)

★★★★

 

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイラインの取扱説明書

西国三十三箇所第33番札所、結願の寺霊場華厳寺。その参詣道として古くから使われていた野村坂を開削し、自動車の通れる道として整備されたのが、大谷スカイラインこと県道266深坂大野線である。トンネルによる新道が開通した今も旧道沿いに植樹された桜並木に誘われ多くの人が訪れる観光路線としてすっかり定着している峠道を、車両の通行もまばらなシーズンオフの夕刻に訪ねてみた。

 

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

峠に立つ唯一の建造物が、この一本の石柱である。威風堂々と立つその正面には花立峠の三文字が彫り込まれ、地図上には記載されぬ峠名の出現という予想外の事態に思わず歓喜する。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

広場を中心に石碑と対面する地肌の露出した斜面を駆け上るも、広角レンズでないと峠の全体像は捉えきれないほど巨大な切り通しの花立峠。必要最低限の整備に留めた公園のような広場。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

シーズンオフは人気の無い花立峠。そこはその昔野村坂と呼ばれていた。華厳寺への参詣道としてこの道が開かれた歴史は古く、開山は西暦でも三桁という途方もないほど時代を遡らねばならない。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

登山道のような参道しかない野村坂に自動車道をという声が挙がるのは、日本にモータリゼーションの波が押し寄せる昭和30年代の事。そして昭和41年5月2日野村坂に待望の自動車道が開通する。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

マイカーが一般にも浸透しつつあり、ドライブという娯楽が当たり前となって行く時代背景に乗じて大谷スカイラインと名付けられた野村坂は格好のドライブルートとして広く一般に浸透してゆく。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

沿道に植えられた桜並木に眺望抜群のコースという自動車道の性格が、野村坂というかつての呼び名を忘却の彼方へと追いやり、代わって大谷スカイラインに花立峠の名が若い世代に定着した。だがこの道の前身が、人の通行しか許さぬ参詣道であったことを、古老達は忘れない。

花立峠(県道266深坂大野線)大谷スカイライン3-7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

今でも年配者には野村坂の方が通りが良いのはその為だ。春先のほんの一瞬だけ桃源郷のように周囲の状況が一変する花立峠。今では物流における主役の座を新道に譲ったが、観光ルートとしては不動である。

花立峠2へ戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ