ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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高見峠

★★★

 

高見峠の前説

19833月に待望の高見トンネルが開通し、この国道最難所である高見峠は旧道と化した。しかし現在でも峠を目指す者は後を絶たない。峠からの眺めは素晴らしくまた登山基地も兼ねている為今後も高見峠への需要がなくなる事はないだろう。

 

高見峠

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この国道最大にして最強の峠である高見峠は関西を代表する峠のひとつだ。伊勢と飛鳥や和歌山方面を結ぶ重要な街道で、現在でもこの道がないと大変な事になる。というのも高見峠を最後に峰越えルートは完全に途絶え、尾鷲まで南下しないと県を分ける程の険しい山脈を車両が越える事はできない。当然高見峠に自動車を通す事は大変な事業であったと思う。

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現道との分岐に設置されている青看には高見峠の文字が刻み込まれ、旧道化した後も高見峠を目指す人が跡を絶たないという事を示している。当然旧道は今でも健在で旧道とは思えぬ交通量である。特にシーズン中の休日ともなれば峠の駐車場は確実に満車だ。旧道はご覧の通り1.5車線の幅員で最低限の除草しか成されていない為実幅1車線で普通車同士の離合困難箇所も多々ある。

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旧道には数多くの道路遺構を目にする事が出来るが、中でも旧タイプの橋がいくつか架かっていて、昭和初期を彷彿とさせる欄干の構造など橋梁好きには堪らないヨダレものと言っていい。他にも峠よりかなり手前にある杉谷隧道がコンクリとは言え初期の構造で、これまたレアである。

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数々の道路遺構が残る旧道のメインである高見峠に立つと、大きく切り開かれた峠からはどちらも遥か彼方まで見渡す事ができ、峠からの大パノラマを見る為に今でも訪れる人が後を絶たない理由が良く分かる。高見峠は片側がほぼ垂直に切り立った絶壁で、もう片側は広く設けられた駐車場とその先に続くなだらかな傾斜となっている。

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ただ現在我々が見ている高見峠の姿は、この峠に初めて自動車が通った頃とは大きく形状が異なる。その事は町の公式サイトに掲載されている画像をご覧頂ければ一目瞭然だ。そこにはV字に切り通された完全1車線の砂利道だけしかなく、他には何も無い峠である事が分かる。つまり開通当初は単なる峠を越えるだけで精一杯であり、現在のような観光も兼ねるようになったのはかなり後の事だろう。

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そしてその画像にはヤバイものが写っている。高見峠が全線砂利道であった頃のヤバイもの、そう路線バスだ!完全舗装となっている現在でも厳しい道程の高見峠を路線バスが越えていたのだ。正直高見峠を路線バスが通っていたという事実を把握していなかった為かなり衝撃的な画像であった。

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高見峠は後年大規模に開削され車が十数台は駐車可能なスペースを確保していて今ならもれなくバス停が設置できますのでドニーチョ限定で高見峠旧道に臨時バスを運行してもいいというチャレンジャーなバス会社さんがいたらいいな〜。現在は高見トンネルであっちゅうまに抜けられる高見峠も旧道は健在で、ハイキングや登山の拠点となっている事から今後も大いに活躍し続ける事は間違いない。

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