ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大峪峠

★★

 

大峪峠の前説

大峪峠は19839この県道を飛躍的に進化させた新大峪トンネルの完成により旧道と化した。杉林に覆われた旧道は見通しの悪いカーブの連続で直線路はほとんどなく常に対向車を意識せねばならず、果てしなく続く離合不能区間に緊張感から解放される事はない。正直なところただの辛いだけの峠越えである。

 

大峪峠

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この界隈に点在する道は国道だろうが県道だろうがグレードを問わず全てが酷道と言っても差し支えなく、離合不能区間は当たり前、以前まで使っていた地図では国道がまだ全通していなかったりと、まだまだこの辺は未開の地で本来秘境とはこういった場所を指すのだと思う。一旦突撃してまともな道へ抜け出た時には精も魂も尽き果て車種を問わず死んでいるなんてのはこの辺では日常茶飯事だ。

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この県道もかつてはそんな酷道のひとつだった。旧道へ入るとその酷さがよく分かる。50%以上はあるパッと見断崖に近い状態の斜面を切り開いた県道は当然離合ポイントも少なく車と単車のすれ違いさえギリギリガールズで、オマケにガードレールなんてオシャレなものもない。常に落石の危険にさらされこの県道の通行を余儀なくされた地域住民は大峪峠を越える度にヒヤヒヤものだったのではないだろうか。

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単調な道程にもある程度進んでやっと変化が訪れる。元々隧道があったのではないかと思える切り通しが突如現れたのだ。それまで平均的に勾配のあった路面が平坦路に変わり、それ以上の上昇をやめている事から大峪峠にある大峪隧道が崩れ去ったものかと一瞬思ったが、路面は更に上を目指しており、ターゲットではなかった。

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旧道に進入してからは標識類をたまに見掛ける程度で人家や畑など生活感のあるものは何ひとつ存在せず、人の温もりとは無縁のただただ下界とは隔絶された静寂さだけが売りの鬱蒼とした杉林が続くだけで、その道程は非常に長く感じるし、峠を越え再び現道へ至る実際の距離も長い。どれだけカーブを曲がっても景色は一向に変わらない。延々と杉のトンネルを潜り、単調な景色に飽きがくる。

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峠はまだなのか?はっきり言って稜線も確認できない程密度の濃い杉林に閉ざされた道程は進んでも進んでも大きな変化が現れず比較対照物もないものだから自身がどの辺りまで到達しているのかも把握できる状態にない。そんな中再び路面は上昇をやめ平坦路となる。今度は本当に峠であった。長い長い道程であった。

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大峪隧道手前は若干広めに取られているがそれも離合する為のもので駐車スペースという類のものではなく、しかも杉林に覆われて峠からは何も見えない。しかし大峪隧道を抜けると一転して大パノラマが目の前に現れた。峠までは杉林に邪魔されて風景とは無縁であったが峠を境に状況は一変した。下界の様子まで手に取るようにはっきりと見える。

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峠を越えてからは開放的な道程が続き、ヤッホーロードと化すが、落ちたら即死の深い谷にも拘らずガードレールは設置しない頑固一徹な姿勢は評価できる。結果的には道中にヘキサなどここが県道であった事を指し示す道路遺構は一切見つからなかった。総評として大峪峠はこの辺一帯の道路状況を集約したかのような酷道であった。

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