ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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千早峠

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千早峠の前説

府道に砂利道などあるはずがない。それがもし旧道であったとしてもだ。千早峠に来るまではそう思い込んでいた。あくまで勝手な固定観念でしかなかったが千早峠によってそれは見事に打ち砕かれた。側溝が完備されておきながら路面はダートという状況がとても素敵だ。府道指定されるずっと以前から存在していたかなり古い道のようで、道中は人工物もほとんどなく開削当時から大きな変化はないと思われ、廃道後も現役時に近い状態をキープし今にも使えそうで保存状態は良好で、砂利道のまま昔の雰囲気を今に残す素晴らしい峠道で千早洞と合わせて当然の二冠奪取となった。

 

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僕ははっきり言って関西圏をよく知らない。知識として知っているのはラッシュ時、駅の便所で順番待ちをしている二列目の人達がモノを出して待っているという事くらいだ。走ってみた感じとしてはどこまで行っても街が続き、平日の日中は日本の全人口の1/10が集まる東京にはかなわないだろうが、次に人の集まる巨大都市。唯一の違いはどこで覚えたのか全員が関西弁を巧みに操る事だけだ。

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もはやこの地に隧道ネタなど存在するはずがない。街中の無機質なコンクリートに覆われたトンネルをいくつも抜けるたびにそれは確信へと変っていった。しかしその憶測は見事に外れる事となる。千早トンネルを通過する際、休憩中であった工事中のおっちゃん達は興味津々なのだろう。怪しいボックスを積んだバイクを珍しそうに流し見して、地図確認の為に停車した際、おっちゃん達から話かけてきた。

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彼らの口から思いもよらぬ爆弾発言が飛び出す。千早トンネルの上に古いトンネルがあるという。大阪には期待できるような物件はない。そう結論付けていた所に一寸の光が差し込んだ。おっちゃん達が入口を教えてくれなかったら絶対に気付かないだろう。それほど入り組んだ場所というか旧道と現道はあまりにもかけ離れた場所にあった。

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分岐の廃屋さえ見つけてしまえば楽勝だが土地勘がない者にとっては非常に分かり辛い位置にあった。旧道進入口には通行止の看板が設置されており、そこには府道河内長野千早城跡線と記されていた。これが府道なのか?大阪にも砂利道の府道が旧道化しつつも現存していた!そして驚くべきはその先に見た千早洞MAXに達する。

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日暮れ間近の大発見に全くもって富田林である。興奮冷めやらぬうちに反対側へと急ぐ。千早トンネルを潜り反対側の分岐を探す。反対側と同じように難しい位置にあるのかと思いきや、こちら側はあっさり分岐が見つかった。しかしとても旧道とは思えない急勾配で、当初これではないと踏んでもう少し下ってみたのだが、それらしき分岐は見当たらない。

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どうしても旧道には見えないコンクリで簡易舗装された道にはしっかりと通行止の看板が設置されており、もはや旧道に疑いようがなかった。それでも半信半疑のまま激坂を上って行く。やがて路面は簡易舗装から砂利道へと変わった。その先は小さな工場らしき私有地があり、道はそこで途切れているようだった。

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やっぱり違うんじゃないのこの道と思ったが軽自動車が頭を突っ込んでいるその先に微妙に1車線幅の路面が奥へと続いている。道路という状況ではなく放棄された街道という感じで全く検討違いだと思って周囲を見回したがそれ以外は山の斜面があるだけで埋められたような形跡もなかった。草を掻き分け徒歩にて接近する。今考えても有り得ないような状況であるがそこには間違いなく千早洞があった。

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