ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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船坂峠(1)

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船坂峠の取扱説明書

大阪と北九州を結ぶ日本の大動脈とも呼べる主要国道の岡山と兵庫の県境に、海抜145mという山間部にしては屁みたいな峠がある。現在は大型車同士の相互通行が可能なトンネルによって、昼夜を問わず留まる事なく様々な車両が往来し、特に国の根幹を成す道路とは切っても切り離せない大型トラックの通行が目立つ船坂トンネル。現代の殺人的な交通量をその昔はどのようにして処理していたのだろうか?トンネルのある所に旧道ありの鉄則通り、ここにも峠道がある。それが今回のターゲットである船坂峠だ。僕はそこで驚愕の光景を目にする事となる。

 

船坂峠1

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日中の交通量もそうだが、夜間は特に大型トラックが隊列を組み、猛スピードで駆け抜けて行く船坂峠。バイパス状と化した現道にわざわざスピードを殺さなければならない理由など見つからない。また道中には全く人家がない事もそれに拍車をかけた。行き交うほぼ全ての車両が、まるでスケートリンクを滑るかのように決まった方向へ向けて摩擦抵抗など感じないほど滑らかに流れ行く中にあって、僕だけが何等かの不可抗力によって弾き飛ばされたように、脇道へと逸れた。

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そこは見慣れた分岐点であるが、如何せんスピードが速過ぎて、これまで何度かその分岐へ入るタイミングを逃している。特に急いでいる大型トラックが背後に迫ってきた場合、キョロキョロと辺りを見回しながら、法定速度以下の低速走行でのん気に走っている僕を、今にも轢き殺さんばかりの勢いでエアブレーキをバシュ!ブシュ!とやって煽りやがる。

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僕も教育係として黙っているはずもなく、中央寄りを法定速度厳守し、先頭を意地でも譲らない。ところが最近の運ちゃんは昼間っから大型トラックで蛇行運転というお洒落な事なさるんですよね。それには珍走団もビツクリですわ。流石に僕も生命の危機を感じ、法定速度の2倍以上のスピードで逃げますよ。そうやって今日も日本のどこかでトムとジェリーは仲良く喧嘩してる訳ですが、この日はスムースに旧道へと入る。

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勿論そこには旧道を指し示すような物は何一つ設置されてはいない。船坂トンネルを何度か潜っている内に、目星を付けておいたのだ。勿論それが旧道であるかどうかは行ってみなけりゃ分からないのであるが、現道を眼下に見ながらゆっくりと蛇行しながら峠を目指すその道の幅員は広かった。部分的には大型車同士の離合を許す広さがあり、その時点で旧道の資格は充分であった。

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ところが次第に雲行きが怪しくなってくる。普通車同士の離合がやっとの1.5車線まで縮小したかと思いきや、なんと道はその先で二手に分かれている。ここで問題です。かつての主要国道はどれでしょう?(1)直進の舗装路(2)右の砂利道(3)そもそもここが旧道ではない、正解は右の砂利道です。いや、僕も最初は思ったさ。道間違ってねーかって。

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ところがだね、砂利道の方には青看が設置してあってだね、そこには歩行者自転車専用道と書かれているのだよ。そう言えば船坂トンネルには歩道が設けられていない。これまで一度たりともトンネル内でチャリの姿を目撃した事がないのだ。勿論歩行者の姿もだ。という事は彼等は通常この道を通っている訳だ。

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この道はその線形からどう考えても後付けで用意された道などではなく、ずっと昔から使われていた道を歩道に転用したとしか思えないのだ。その道路状況から旧道という雰囲気は伝わってこない。少なくとも現在の交通量からして、この道が旧道とはとても思えないほどショボイ道程なのだ。旧道というよりは古道とか街道の匂いがプンプン漂っているのである。

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