ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大峠(宮野大峠)

★★★

 

大峠(宮野大峠)の取扱説明書

全国に大峠と名の付く峠は数あれど、多くの謎を残す最もミステリアスな大峠は、ここ山口の大峠だろう。狭さ勾配共にピカ一で、他の大峠とは一線を画している。便宜上バスの停留所名をそのまま配し宮野大峠とし調査を開始するも、結論から言えば車両での峠越えは充分可能であった訳だが、この峠越えする道の正体が何なのかはさっぱり分からず仕舞いであった。

 

大峠(宮野大峠)[ORRの道路調査報告書]

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ここは僕が初めてSLというものに乗った地であり、酷民的一発ギャグであるデゴイチが誕生した所として知られるこの地に、木戸山隧道という主要国道のトンネルがある。昭和363月竣工という事で、昭和中期のそれなりに味のある隧道なのだが、今回取り上げるのは木戸山隧道ではなく、その真上を通る峠である。木戸山隧道を抜けると国道同士が交わる巨大な交差点となっていて、

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峠のレストランなんかもあり、それなりに拓けてはいるけれど、一歩進むと家一軒さえ存在しない、かなり山深い場所である事が分かる。トンネルの上に旧道ありのセオリー通り、レストランの脇から細々と延びる1本の道筋を発見したのは、もう十数年も昔の事だ。それが峠へ至る道かどうかは興味も無く、砂利道でないというただそれだけの理由でずっと見向きもしなかった。だが路面が砂利道で

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あろうがなかろうが、旧道調査という使命を負ったORRがこの大峠を無視する訳にはゆかなかった。果たして車両による峠越えは叶うのだろうか?ひとつ確実に言える事は、僕の持ち合わせている地図に、木戸山隧道上の大峠の文字がはっきりと表記されていて、点線ではなく実線で描かれている事に、僅かではあるが車両の通過を許すように感じられた。兎にも角にも突撃してこの目で確認して

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みるより他はない。幸いコンクリで簡易舗装されており、電力会社の保守点検など何等かの形で、現在も利用されているような感じではあった。しかしその道幅といったら完全に1車線を割っており、両側から草が伸び放題で、軽自動車でも気持ちいいくらい車体を擦り捲り、マイカーを洗車するようなタイプの人間には耐えられないほどの酷な道だ。簡易舗装されているとは言え、勾配はかなりきつい。

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それでも単車ではあれよあれよという間に切り通しに達してしまった。峠自体も然る事ながら、上り途中も離合箇所さえ皆無のそれは厳しい峠であった。サミットまでは車両の到達を許した大峠だが、果たしてこのまま鞍を跨がせるだろうか?峠には碑が建っていて、明治1912月と記されていた。開通当時建立されたものかどうかは分からない。しかしかなり古くから使われている道である事

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だけは理解できたが、この道が木戸山隧道の旧道にあたる道とはとても思えない。それまで登山道のような頼りない道筋しか無かった場所に、明治になって車道を通す新道として新たに開通したものなのか、それとももっと以前から牛馬が通れるような街道筋を明治になって拡幅し自動車を通せるようにしたものなのか現段階では全く分からない。それに昭和36年木戸山隧道が開通する

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以前は、この大峠が国道として機能していたとは現場の様子からは考え辛く、その確率はかなり低いと言わざるを得ない。何故ならば大峠を越え、再び現道と合流するまでの間、車の離合を許さないばかりか、尋常でない勾配区間もあり、いくら交通量がほとんど無かった時代でも、その状態で往来する車両を捌けていたとはとても思えないのだ。謎多き大峠の解明は次回?へと持ち越される。

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