ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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夜昼峠(1)

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夜昼峠の取扱説明書

夜昼というその名称も意味深だが、高度が低い割には難所という点も低い山が幾重にも連なる四国らしさが垣間見られ、他の地ではなかなか見られない光景が広がる。一般国道の旧道ではあるのだが、この地にとってはなくてはならない主要路線であり、道路の設計や付帯設備もそれなりに充実している。中でも特筆に値するのは峠に切り通しと隧道が連続する点だ。切り通しと隧道が並列して存在するのが一般的だが、ここは直列であるという点で極めて珍しい物件で、それも石垣の峠とレンガ隧道である。全国の名立たる特異点に一歩も引けを取らず、本日を持って夜昼峠は全国区の仲間入り確定である。

 

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あれから丸1年が経過した。マフ巻き氏に引率してもらい夜昼峠を初めて越えた時からもう1年も経ったのだ。あの時もそう思ったのだが、今こうして改めて見ても、明らかに分かり易い線形をしている現道と旧道との分岐点だ。今でこそ歩道となっているその道こそがかつての旧道である。それがストレートに山塊目掛けて延びている。現道の方が大きく左へとよれて、そちらは

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トンネルによる峠の瞬間移動いわゆるワープを実現している。これから向かうはかつて苦行を強いられたであろう難所の峠道。厚い雲に覆われた夜昼峠付近の稜線を地上から拝む事はできなかったが、それほど高低差がある峠ではない。にもかかわらず地図上からは豪い道程と読み取れるのは不思議だ。地形図の等高線と豊富な経験値があれば地図のみで現地の地形がほぼ分かると

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聞いた事があるが、常に意識せざるを得ない登山やチャリならいざ知らず、単車や四輪で標高、高低差、勾配に意識を向ける輩はそう多くはないだろう。逆に言えばバイクや車が勾配なんぞを意識した瞬間それは酷道と言ってもいいかも知れない。勿論ここは全国に名を馳せるイクナ国道の旧道。当然峠だろうがなかろうが問答無用の起点から終点まで、おはようからおやすみまで

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全てが酷道なのだ。今でこそ改良が施され、かつての1本糞のような酷道は現道に分断され二度と修復できないまでに分割民営化されてしまった。かつてのイクナ国道を正確にトレースするのは難しい状況になりつつある昨今、唯一往年の姿を今に伝える場所が各地に残された峠道なのだ。ここ夜昼峠も例外ではなく、昔の姿を色濃く留めており、旧道に入ってから最初に枝分かれする

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舗装林道との分岐点に早速見事な石垣が現れた。統一規格でない大小様々な形状の石が積み上げられ、当時の施工技術が垣間見られる。またいい塩梅に苔生した石垣に、木々の隙間から時折木漏れ日が射す事によって道路遺構という次元だけに収まらず、芸術的作品と呼べる姿に思わず息を呑む。道中に直線区間というのはほとんど存在せず常に右へ左へと蛇行を繰り返し、

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時には九十九俺となって高度を一気に稼いでゆく。自動車時代になってからの道路遺構としてまず目に付くのがガードレールを多用している点だ。また警戒標識、カーブミラーも必要にして充分な数が設置されている。峠に至るまでの間におにぎりや白看は見られなかった。そして幅員であるが、これが想像以上に出来がいいのだ。場所によっては普通車同士の離合困難な

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箇所はあるが、現在の待避所や路肩付近は充分な手入れが成されておらず、雑草に埋もれているからパッと見狭く見えるだけで、実は現役時ダンプ同士の離合も可能だったと思われる場面が決して少なくはないのだ。巷で言われるイクナ酷道とは裏腹に、夜昼峠に限ってはイッチャイナ国道という気がしてならない。

夜昼峠2進む

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