ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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夜昼峠(2)

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夜昼峠の取扱説明書

夜昼というその名称も意味深だが、高度が低い割には難所という点も低い山が幾重にも連なる四国らしさが垣間見られ、他の地ではなかなか見られない光景が広がる。一般国道の旧道ではあるのだが、この地にとってはなくてはならない主要路線であり、道路の設計や付帯設備もそれなりに充実している。中でも特筆に値するのは峠に切り通しと隧道が連続する点だ。切り通しと隧道が並列して存在するのが一般的だが、ここは直列であるという点で極めて珍しい物件で、それも石垣の峠とレンガ隧道である。全国の名立たる特異点に一歩も引けを取らず、本日を持って夜昼峠は全国区の仲間入り確定である。

 

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峠の少し手前にはあわや隧道かと思える巨大な掘割がある。勾配を緩く保つために鉄道の遺構では然程珍しくもない施工であるが、時には30%近い勾配だって許される道路に至っては、急坂で処理する事もできたのだろうに、そこは馬車道以前から使われる古い峠道だけあって非常に緩やかに穏やかに通されていたのであった。それは来るべく自動車時代においても円滑な流れを

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可能とし、結果として無理のない線形は少なからず時短に貢献し、また難所のストレスも軽減している。掘割を過ぎると峠はもう目と鼻の先にあった。鬱蒼と生い茂る木々に阻まれ、結局どこからもターゲットを捉える事は出来ず、気が付けば峠に居たというのが正直な所だ。山肌に沿った最後の短い直線路を上り詰めると、そこでやっと稜線が視界に入る。尾根直下を沿う形で、どこで

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鞍を跨ごうかと照準を合わせているようだ。突然何かに気付いたかのように左へと大きく舵を切る旧道。どうやら稜線のウィークポイントを見つけたようだ。そのカーブには小さなお地蔵様が一体置かれていた。やっと夜昼峠に辿り着いたようだ。何十年と見つめてきた杉木立に囲まれ昼尚薄暗い夜昼峠。昼でも夜のような暗さという意味で峠の名称は付けられたのだろうか?はたまた

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昼夜構わずやりまくったという事なのだろうか?それとも一昼夜かけて峠を越えた事に由来するものなのだろうか?はたまた一昼夜かけてやりまくったという事なのだろうか?いずれも最もそうではあるが、どれも不正解のようだ。正解はこれらしい。記事の中に「のびあがり」という妖怪が登場するが、うちの近所にも「のび太狩り」と称するかつあげが横行しているのでアキバ系は

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要注意だ。峠はピークに達すると右へ緩やかなコーナーを描くため反対側まで見通す事はできない。それでも尚丁寧な施工の石垣に覆われた夜昼峠は我々に何かを語りかける点において夜昼峠を峠のサンボマスターと呼ぶ事にする。(注:サンボマスターは君に語りかけるhttp://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=odaroadresear-22&l=ur2&o=9より)とは言っても喧騒的とは真逆で、そこは座禅をする境内の如く静寂に支配されているのである。峠の向こうから

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何やら薪を割るような音が聞こえる。鬱蒼とした峠を抜けると急に視界は開け、すぐに第一民家が現れる。なんとなんと夜昼峠は忘れ去られた峠などではなく、今でも生活道路としてしっかり機能しているのである。上り途中に見た3軒ばかしの最終集落があったが、郵便屋さんもあの集落のためだけに夜昼峠へ毎回突撃しているのかと思いきや、実はそうではなかった事が判明した。

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峠を抜けてすぐの竹林に、今にも朽ち果てそうな白看が斜めっている。国道時代の貴重な道路遺構である。さて問題のループ隧道であるが、峠を越えてからあっけないほどすぐに現れる。ループの全容をうまく捉えられていないが、隧道の真上を竹林に囲まれた旧道が通されているのである。

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