ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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西宇峠

★★★

 

西宇峠の取扱説明書

西宇峠は正式名称ではなく便宜上付けた名称だが、道程は本格的で現役時はかなりの難所であった事が窺える。峠は隧道で越えており道中も峠付近からも景色は全く期待できないが、完全1車線のパンチの利いた峠越えからはかつての厳しい状況を垣間見る事ができる。西宇峠は隧道が特筆ものでそれがお目当てではあるだろうが、峠道としても大変興味深い道程で驚くような場面が幾つか登場する点も見逃せない貴重な峠道である。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

遂に四国でも最高ランクをマークする隧道に出会う事となった。その前に西宇峠の説明をしておかねばなるまい。かつては自動車の通行を許さなかった四ッ足峠から那賀川沿いに下る国道が川沿いから離れて最初に迎える難所が西宇の峠越えである。正確には那賀川沿いに細々とルートがあるのだが無駄に蛇行している川沿いを避けショートカットしたのが

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西宇峠で現在は2車線の立派なトンネルが突かれている。その先代に当たるのが四国でも最強クラスにランクされ、そのお姿はまさに全国区と言える西宇隧道である。この界隈にはこれまた重要な物件である十二弟子隧道が存在しているが、そちらは十二弟子峠という正式な峠名称が付されている。しかしこちら西宇には正式な峠名称は今の所確認できていない。

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但し明らかな峠越えルートである事と国土地理院1/25000地形図では初代の徒歩道である点線ルートが確認できる事から完全な峠越えルートであるとORRでは断定し、また人道の峠越えルートの入口も今回の取材で確認できた事で名無しの峠であるが隧道名から拝借してこの峠道を西宇峠とした。次回取材時には現地古老の証言を交えて確定としたいと思う。

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現国道の西宇トンネル坑口直前から右へ入るのが旧道で自動車道とは言え完全な1車線で普通車同士の離合は不能である。また舗装されているとは言え常に慎重な運転を強いられる完全な山道である。現道から離れる方向でほぼ真っ直ぐに進むと突如ヘアピンコーナーの出現に絶句した。というのもこの状態で現トンネルが完成するまで国道であったというのが

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全く信じられないのだ。四国の酷道の常識に照らし合わせればそれは何でもない事なのかも知れない。しかし全国的に見れば完全にクレイジーであり、もしここを路線バスが通っていたとなれば世界を震撼させるには充分なネタである。それは峠道全体を通してあまりにも離合ポイントが少なく、どうやってやりくりしていたのか不思議で仕方がないからだ。

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二枚目の画像が旧道で唯一の鬼ヘアピンであるが、ここを路線バスが曲がりきったとはにわかに信じ難い。しかしいずれあっさりと路線バスが通っていた証言が来年あたりは飛び出すかも知れない。地形図では鬼ヘアピンから人道の峠越えである点線ルートが確認できるが現地でも獣道らしき道程が奥へと続いているのは確認済みである。その後再び旧道は

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進行方向を180度変え現トンネル方向へ向けて高度を一気に上げる。そこで僕が見た光景はあまりにも凄まじく、詳しくは西宇隧道をご覧頂きたい。西宇隧道を抜けた後も杉木立の中の極狭道は続き開放的な場所に出た地点で製材所の敷地内を通る形で旧国道は続いていた。再び那賀川と並走し現道に合流するがやはり西宇峠はショートカットというよりは完全な峠越えだ。

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