ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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西宇隧道

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西宇隧道の取扱説明書

特異な坑門、普通車と歩行者が離合不能な激狭な幅員、ロングテボッチャーで照明無しと至れり尽くせりで、また時期にもよるが水没し地底湖となっている場合がある四国最強の呼び声高いスーパーアトラクション西宇隧道今ここに見参!西宇トンネルが昭和468月に完成するまで現役の国道として機能していた事は間違いないのだが、それを自分の中でいまだに消化できないのは類稀なその優れた特徴にある。西宇隧道を含めた西宇峠が国道だった、何だか僕は嫌な夢を見ているようだ。今もって嘘だと言ってくれ!と叫ぶもう一人の自分がいる。

 

西宇隧道

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これまでも四国内において全国に出しても恥じないお宝隧道の発見に全力を注いで来た。そして遂にお宝隧道に遭遇する日がやってきた。パンチの利いたヘアピンから続く極狭道を上り詰めるとそこにある戦慄の光景に僕は直立不動となった。西宇隧道をターゲットとして進入しているので、何も隧道の存在に驚いた訳ではない。その構造、否そのお姿に僕は

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素直に白旗を上げざるを得なかったのだ。全国より多数の大物を見てきて、そんじょそこらの隧道では驚かなくなっている訳だが、西宇隧道は近年稀に見る強烈なインパクトで僕を迎え入れた。まず何はともあれ前代未聞の坑門に注目して欲しい。この異様な姿を見てあなたは何を連想しただろうか?現場での僕は直感的に映画八つ墓村のハチマキで頭部左右に

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ロウソクを立て村人を皆殺しにしたあのシーンを思い出していた。坑門上部両脇に配置された制限標識がロウソクの炎に見え殺気さえ感じる坑門は威圧感全開で進入を躊躇うどころか近付くのも困難な状況であった。落石防止用に少し前に張り出したコンクリ壁の作用で一見四角い坑門のように見えるが、実は馬蹄型の坑門である。時期や天候にもよるのだろうが

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内部は完全に水没しており、水深は最大で15cm程度あり、歩行者は完全にアウチである。このような物件に限って通行止措置は取られておらず、さあさあ遠慮なくどうぞといった感じであるが、僕は悩んだ。石を投げ入れてみたが水没距離はかなり長そうだ。遠くへ投げ込んでもポチャン!と音がする。手前の水深を落ちていた木の棒で測ってみても軽く15cmはある。

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もし深みに嵌って脱出不可能なんて事になったらシャレにならない。路面がダートだとしたらこの状態はかなり危険である。しかも西宇隧道は長さが数百mはある。しかし口が開いている隧道を前におめおめと撤退する訳にも行かなかった。うつむいた僕は足元に僅かな希望の光を見た。路面には薄っすらと四輪のタイヤ痕が残っていた。それがいつ刻まれたのかは不明だ。

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今にも消えかけそうな痕跡ではあるが、僕はそれに賭けた。逝けるはず、自分にそう言い聞かせいよいよ突撃開始命令が下る。暗闇を切り裂いてジャバジャバと波立たせながら水陸両用ヘナリワン2号が先の見えない未知なる地底湖を行く。100m程度で水は引いた。しかし内部はコンクリ噴き付けの荒々しいテボッチャーで、普通車と歩行者の離合さえ許さない

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激狭道である。それも長さ数百mにして照明は一切ナッシングときたもんだ。反対口はコンクリ仕様の大人しい造りだが、それでも普通ではなく充分に狭く不気味な隧道である事に変わりはない。西宇峠は生命線とも呼べる国道であった訳だが、この状態を見てあなたならそれが信じられるだろうか?現場を視察した僕はいまだに悪い冗談ではないかと思っている。

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