ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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三国峠

★★★★

 

三国峠の取扱説明書

新道と旧道の落差は名阪国道に匹敵し、とても同じ国道とは思えないのだが、国道指定を外された今もおにぎりが残っていて他にも日向街道時代の遺構も点在し旧道気分をたっぷり堪能できる絶好の峰越えルートだ。

 

三国峠

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大分宮崎間の覇権を主要国道から完全に奪った感のあるこの国道も遂に最終段階に入った。3本の国道(2本は主要国道)が交わる犬飼橋に新犬飼橋が架かり、たった1本の橋で3つの国道を捌いていたという信じられない状態は2004年を持って伝説と化す。新犬飼橋の完成を持って主導権の移動は確定となり大型車は全て三国峠を越える事になるだろう。

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よって一時代を築いた宗太郎峠は完全に幕を降ろす事になる。かつての三国峠を知る者としてはこの劇的な変化に身震いさえする。土木技術の飛躍的な進歩と、想像を絶する巨費が投じられた賜物である訳だが、長大トンネルが連発し高架橋で繋ぎ、まるでハイウェイのような規格の道は日本でも有数の巨大プロジェクトだ。

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その影に隠れひっそりと旧道が三国峠を越えているという事実は次第に忘れ去られゆくゆくは全て無かった事として処理され、一部の道路考古学者達によって水面下で語り継がれる程度となってしまうのだろう。僕が初めて三国峠を越えた頃は新道建設の真っ最中で、旧道はダンプの往来が激しく宗太郎峠を越えれば良かったと激しく後悔した思い出も今となっては貴重な体験となった。

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峰越えをする三国峠には途中に峠越えで唯一の小さな隧道が存在する。それが松谷隧道で、隧道を抜けるとおにぎりが出現する。その後数箇所におにぎりが設置されていて、今も外される事なくどれも健在である。実は旧道の三国峠はどこが峠なのか特定できる場所が存在せず、おおよその判断しか出来ない。

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途中から分岐している昔の三国峠は車種によっては車両も進入できるが、昔の三国峠は稜線上にある事ではっきり峠と意識できるのだが旧国道は稜線には達せず本来の三国峠をまわり込むような形をしている為特定し難いのだ。それに標識なども設置されておらず一般の人が想像するような峠らしさは全くない。峠を越える前から旧国道には右から左から多くの道が合流する。

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両側を走る県道に連絡する道や林道など道の種類は多岐に渡るが、やはりこの道がかつての本線で、そこに道が集まってきて当然と言え、1.5車線と狭いながらもそれなりの交通量があったに違いない。ここも県道706伏野宇目線と旧国道との分岐なのだが青看などの類は一切存在しない。古いタイプの橋もいくつか架かっていて、それらも旧国道の雰囲気を盛り上げる重要な役割を担っている。

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三国峠の国道沿いは樫峰という数軒の集落を除いて人家は皆無で、当然街路灯は全くなく夜間の通行はかなり難儀であったようだ。道中には国道以前の街道筋らしい遺構も数多く見られ、日向街道を拡幅した歴史ある道としても希少価値が高く、また春には桜が咲き乱れる隠れた名所でもあり、時間はかかるが散策気分で走行するのが丁度いいルートと言える。

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