ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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御所峠

★★

 

御所峠の取扱説明書

これまで長らく有料道路として供用されてきた臼杵坂ノ市道路が、近年無料開放されたのに伴い、正式に県に移管され晴れてヘキサも設置された一般県道となった。延長距離が2kmにも及ぶ臼坂トンネルで一瞬にして町から町へと抜けるバイパスルートが、一般道に組み込まれた意義は大きく、現道は活発に利用される反面、旧道と化した御所峠は通る車両も皆無に等しく、存在意義は今後益々薄れ行く中で、時間の許す限り僕は今後も積極的に御所峠を通るだろう。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

これまで有料道路というボンビーにとっては高嶺の花だった臼杵坂ノ市道路。しかし有料時代に僕は結構頻繁にこの道を利用していた。何故ならば海沿いの県南エリアから市内へ向かうには、最も効率良くスピーディーに抜けられるのが、日向街道を繋ぐ事であるからだ。畑野浦、彦岳、新臼津、臼坂の各トンネルを繋ぐのが、市内と県南エリアを最速で結ぶ事を、僕は経験上知っていた。

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タイム伊豆マネー(伊豆は時間も金もかかる)じゃなくて、time is moneyの言葉に従えば、臼杵坂ノ市道路はお金を払う価値のある道路だった。隣の九六位峠を越えるという手もあるが、1.5車線の峠越えは何ともかったるい。それに何故か微妙に通行量もあり、チンタラ車に遭遇した日には目も当てられない峠なのだ。かと言って御所峠は無駄に道程が長く、人気の無いダラダラと続く山岳道路を

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走るのも億劫であった。そんな訳で臼杵坂ノ市道路は、有料を嫌ってか交通量も少なく、多少のお金を払ってもノンストレスで一瞬にして抜けられる事は、僕にとって支払った対価以上の価値が得られる、まさに夢のような道路であった。それが無料化された途端、どこからやってきたのか、次から次へと途切れる事なく車両が現れて、高嶺の花だった道路は、今やすっかり市民権を得て

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しまった。青看も塗り替えられ、かつて有料を嫌って抜け道として利用していた者も、今では誰一人として御所峠を越して行く者はいないだろう。一歩旧道へと入ればそこには昔ながらの民家が道路脇に軒を連ね、臼杵坂ノ市道路が完成する以前は、その狭い1車線路を大型車もバスも行き来したのだろう。今では地元民を除けば、時折数えるほどの車両しか通らないであろう。そんな人家の

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密集地帯を抜けるとポツリとヘキサが佇んでいた。おや?まだ県道指定を外されていないのだろうか。その後もヘキサは随所に見られた。最終集落を抜けると県道は本格的な山岳道路へと姿を変える。それまで1車線であった幅員が1.5車線へと広がり、だいぶ走り易くなってきた所で、県道715の分岐が現れる。そこを過ぎれば幅員は更に広がり、完全な2車線路となるのだ。その後

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六ヶ迫隧道を抜け、下り途中にある六ヶ迫温泉まで大型車同士の離合も楽勝の、快適な2車線路は続いた。時間に追われる事の無い身にとっては、意外に走り易い道である事を、今回の取材で初めて感じた。峠には別段騒ぐような物は何も無く、切り通しでもないのっぺりとした、印象に残り辛い形状をしている。ただ30年ほど前の御所峠にはラーメン屋が存在し、結構おいしかったと叔母が

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公言しており、確かに峠の手前にそれらしき跡地があるにはあるが、現状からはとても信じられるものではない。何せ最終集落から六ヶ迫温泉に至るまで、沿道には人家のひとつも存在しないのだ。かつて集落があったような形跡はあるが、臼杵坂ノ市道路が完成する以前は、結構賑わっていたのだろうか?今では沿道の畑も休耕田となっている御所峠旧道は寂れる一方である。

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