ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>旧道電撃ネットワーク>南九州>熊本>兵戸峠

兵戸峠(2)

★★

 

兵戸峠の取扱説明書

周防灘から島原湾にかけてひなびた山村区間を繋ぐローカル国道は、大分と熊本の県境を三度も越すのだが、その中で唯一の峠道が兵戸峠である。これまでは当路線を全線踏破するには気の遠くなるような時間を要したが、近年改良が著しく酷道と呼べるような区間も残りあと僅かとなり、数年後には快適な2車線として全通する事になる。往年の峠道はいまだに健在であり、今後も半永久的に通り抜け可能である事が保障されている兵戸峠の今をご覧頂こう。

 

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

この1.5車線の狭い切り通しが、大分と熊本の県境を跨ぐ兵戸峠である。この下にトンネルが完成したのは10年以上前の事であるが、峠道にはいまだにおにぎりが残されていたのは意外であった。黒川温泉の賑わいが直接の起因であるとは思えないが、奇しくも黒川温泉ブームと時同じくして、この界隈を走るローカル国道のほぼ全ての改良工事が着手された。そのお陰で当路線も

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

以前のような集落を細々と繋ぐ狭い山道から、快適な2車線へと見違えるような変貌を遂げた。まだ極一部に普通車同士の離合もままならないような厳しい区間が残されているが、そこも現在急ピッチで工事が進められており、あと僅かでそのストレスも解消される。山を削り巨大な橋梁を架け、それはもう高速道路かと思うような立派な規格の道が姿を現し、当路線が全線2車線化された暁には

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

昔の道が目を背けたくなるほど貧弱な、ただの田舎道のように見える事だろう。昔ほど土地の形状を意識する事なく、ほぼ思い描いた通りに都合の良いルートを引ける時代だ。旧道を拡幅するなどという工事はもう過去のもので、その昔では想像もできなかったような場所に、トンネルを通し橋を架けるのだ。ここ兵戸峠も例外ではない。旧道の一部が現道の為に豪快に削られ、昔の線形を

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

想像するのは、非常に困難な状態となっている。現道に分断され左右に散らばった旧道の残骸。そんな昔の名残を横目に見ながら兵戸トンネルに達すると、オートポリスと書かれた案内板が右へと誘導する。そこが恐らくトンネル完成前に設けられた旧道への迂回路だ。現道に寄り添うように走っている旧道までの距離はほんの僅か。すぐに旧道らしき道筋が現れ、峠方向へと進路を取る。

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

案内板があるように、旧道は今でも利用されていた。大型車同士の離合も楽勝の幅を有している箇所もあれば、大型車1台がやっとという狭い場所もあり、広くなったり狭くなったりと強弱を繰り返す旧道。そしておにぎりと供に現れた二股を右に曲がった所が、切り通しの兵戸峠であった。峠は本当にあっけなく僕の目の前に現れた。兵戸峠は普通車同士の離合が困難な狭さであったが、その

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

前後は2車線幅が確保されており、熊本県側に至っては、センターラインのある完全な2車線路であった。県境には超の付く馬鹿デカい青看が、これでも喰らえとばかりにお互いの県を主張し合っていた。そんな事よりも峠を拡幅したようが良さそうなものだが、とうとう現役最後まで、そして今でも兵戸峠は1.5車線のままであり、その姿は今後も変わる事はないであろう。現役時代に手を

兵戸峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

付けなかった峠を今更拡幅するはずもなく、小さな切り通しの峠はおにぎりと供に、そこがかつて国道であった事を、時折通り行く人に語りかけるのだろう。現道に路盤ごとごっそりと持っていかれた場所には新たに橋が架けられていた。交差する兵戸スーパー林道へのアクセス路として、兵戸峠旧道は今後も供用され続けるだろう。

兵戸峠1戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ