ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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水界峠

★★★

 

水界峠の前説

新水界トンネルの完成が19813月だから開通してかれこれ20年以上が経過している訳で、旧道が普通に通れるはずはないと覚悟してきたが案の定大変な状態になっていて問題の水界隧道よりも水界峠の道程そのものに旧道ファンは魅せられるのは間違いない。

 

水界峠

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遂に幻の明治隧道が残るとされる水界峠へ足を踏み入れるチャンスがやってきた。この日は朝から天候に恵まれ当日のトップバッターという事で嫌が上にも期待は高まる。何しろ関山隧道が未調査につき、水界隧道が僕にとって宮城県内初のお宝隧道となるからだ。この目でしかと拝見すべく早速現地に降り立つと待ってましたとばかりにゲートのお出迎えだ。

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まあしかし脇が甘過ぎる。最も不法投棄を拒んでいるのであって旧道散策者までどうこうというつもりもないと思惑がゲートの設置にもよく現れている。本当に道中は危険であり、全ての者を排除したいのであれば頑丈な鉄柵に有刺鉄線まで用意しておけば万全だろう。勿論これまでそんなゲートは見た事もないので、どの程度通したくないかはおおよそ知れている。

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ゲートの効果があってか旧道上に不法投棄の山は見られなかった。現在の市販の地図にもその存在が記されている水界峠は地図に描かれているほど簡単な道程ではなかった。コーナーの連続でその見通しは悪い。センターラインが見える事と現場の状況からは現役時2車線であった事は分かるのだが現在では両端から植物の侵食により1.5車線となっていて、峠へ近付けば近付く程植生はその密度を増す。

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路面の全てを覆い尽くさんばかりの勢いで完全1車線区間となっている箇所もあり、最早センターラインも風前の灯である。自然界の法則に則ってアスファルトだった路面も堆積した落ち葉や崩れきた土砂、侵食する植物等にその全てを覆い尽くされ、いつしか完全にこの世から消え失せるのも時間の問題だ。

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その傾向は水界隧道を抜けると更に顕著になって表れる。上りと違って下りではカーブが少なく直線路が多くなる。それは地図通りだ。しかしセンターラインは待てど暮らせど一向に現れず、結論から言えば西側は1.5線と狭かったようだ。よって植生の激しさは峠から見てどちら側も同じであるが、元の幅員が狭い方がより狭くなる訳で西側は尋常でない極狭道が展開し、このような道を最も好む連中にとってはヤッホーロードと化す。

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完全1車線どころの話ではなく1車線は楽に割っている。これも時期によって変動が激しいのだろうが夏場は完全なブッシュで藪漕ぎは必須だろう。逆に晩秋とか雪解けの頃を狙って行けば拍子抜けする程の楽勝コースとなろう。それはどこの廃道にも同じ事が言える。

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水界峠旧道の道中に大きな崩壊箇所はなく、旧道そのものが危険な状態ではない事が判明した。但しもし通行止が成されていなかったとしても東側は車での到達が可能だが、西側はかなりの気合が必要な状況である事は間違いない。水界峠は隧道が全くの期待外れに終ってしまったが、旧道自体はほどよく荒れていて、なかなかいい感じの峠越えであった。

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