ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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水界隧道

★★

 

水界隧道の取扱説明書

宮城県内の道路遺構としては屈指の存在である、はずであった水界隧道だが蓋を開けてみれば何てこたぁないコンクリの恐ろしくつまらない隧道であった。それもこれも昭和になって改修を受けてしまったからに他ならないが、もし初代の姿を今に残していたら間違いなく全国クラスの大物だったに違いない。

 

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道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

東北の中心地とされる宮城県は比較的穏やかな地形をしている為か、隧道との係わり合いが少ないように思える。現在でこそトンネルで通す事が増えてきた他県と接する峠も、そのほとんどは昔から峰越えであったし、唯一の例外が関山峠くらいか。県内に目を向けても隧道の数は少なく、平野部が多い事が分かる。そこに仙台という東北きっての大都市が

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空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

ある事も頷ける。千葉や大分などと違ってそれほど道路隧道を通す事に積極的でないお国柄のそれほど山深くもないこの地にまさか明治隧道が眠っていたとは夢にもプロバガンダ。周囲に目を転じても昭和中期以降のトンネルとして掘削された物件を除き、全ての峠は峰越えを果たしている。何故に水界峠だけが明治という途方もない昔に道路隧道が

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お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

突かれたのだろうか?答えは東北に拠点を移した楽チンのミキティに委ねるとして目の前の水界隧道について検証しよう。明治時代それも比較的初期の竣工にしてレンガや手掘りでなくコンクリをふんだんに使うとは何たる贅沢の極み!という呆けはこれくらいにしておいて、水界隧道はとっくの昔に改修されていたのよね。坑門は滑らかなコンクリだが

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羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

苔むしている為全体的に緑がかっている点は味があってマイナスポイントをチョッチだけ補ってはいる。リングアーチはもどきであるが明治隧道の面影を残そうとしたのかも知れない。銘板が埋め込まれていたのはいいが小学校高学年レベルの学力しか有していない僕には残念ながら解読不能である。しかしたったひとつだけしっかりと明治の遺構を

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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

引き継いだものがある。それが扁額だ。両坑口共に設置されている事から、少なくとも現在横行している旧廃隧道を埋めてしまうとかぶっ壊すという考えではなく、先人達の偉業を称えているように感じられる。それは廃道と化した現在も埋められずにいる事にも繋がっているのではないだろうか。他には坑口手前掘割の石垣がもしかしたら明治のものかも知れないが

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ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

確証は得られなかった。隧道内部も内壁が滑らかなコンクリで残念ながら明治の名残はほとんど見る事が出来ない。内部は狭い1.5車線で普通車同士の内部離合は不可能であったと判断したが、警戒標識類が一切備わっていない割には、後年後付されたであろう内部の反射板の存在が気になった。隧道を抜けると随分大きな敷地があり、峠の茶屋跡かと思われる。

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ビストロORR(日刊ORRへの御案内)

現在は更地で雑草だらけだが住居があった事は間違いないだろう。何だか中途半端な水界隧道であったが実は水界峠の真髄は峠へ至る過程にあるのだ。完全に1車線を割り込んでいる箇所、ガードレールが宙に浮いている箇所、センターラインのある完全1車線路などユニークな規格が目白押しで正直隧道などはどうでもよく、エキサイティングな道程に満足であった。

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