ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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走水第一隧道

★★★

 

走水第一隧道の取扱説明書

竣工当初はレンガ隧道も現在その痕跡は僅かにリングアーチのみに残され、内部も全面改修されてしまっているので原型は留めていない明治由来の走水第一隧道。関東圏の大動脈国道16号線から県道へと格下げされた今もその交通量は多くなかなか隊列が途切れる事がなく予想外に賑やかだ。また石垣の組み方がオシャレで港町らしさを感じさせる。

 

走水第一隧道1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

首都圏を取り囲むようにして走る主要国道も東京湾に阻止され今もって周回は果たせていないし、今後も繋げる構想はないようだ。この国道は日中の交通量が半端ではなく、この国道と交差または経由なしで首都圏に入る事はできない。よって通常は外環という役割を果たし首都への一極集中を避け、交通量を分散する重要な役割を担っている。この大動脈とも言える

走水第一隧道2/ORR

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重要な国道も東京湾で途切れる末端は寂しいもので、それまで一丸となって走っていた車両は次々と脱落し、最後まで走るきる選手は自分1人という事も決して珍しい事ではない。どちらの突端も寂れた岬で終了し、道中の喧騒が嘘のような静けさだ。神奈川県の突端に程近い場所に問題の隧道はあった。それまでこの隧道の存在自体は知っていたがまさかこれが

走水第一隧道3/ORR

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首都圏の根幹を成す大動脈の前身であろうとは思いもよらなんだ。これが旧国道なのか?それも主要国道の。当初それは主要国道の現状を十二分に知る者としては受け容れ難いものであった。しかし地図で確認する限り海岸沿いの現道は後から造られたバイパスのような形状をしており、本来はこの隧道は陸地の末端に通された。つまりこの道より先には東京湾が広がり

走水第一隧道4/ORR

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当時はこの国道が海岸線だった可能性が高い。それは現場の様子からも明らかであった。現在の海岸線は埋立地に違いない。結果この辺の地形は大きく変わってしまい、何故こんな場所に古い隧道があるのだろうという不思議なシチュエーションも全て説明がつく。とにかく現地を視察する限り走水第一隧道は完全に浮いてしまっているのだ。昔の地形を知る者ならば

走水第一隧道5/ORR

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その必要性を説明できるだろうが、新参者では使途不明と結論付けても何等不思議ではない状態の走水第一隧道。坑門をご覧頂くと一見コンクリ隧道のように見える。しかしこれがどうして、実はレンガ隧道なのだ。現場に到着しパッと見コンクリかと思ったがよく見ればレンガ隧道で、はるばるこの地まで遠征してきた甲斐があった。坑門は非常にユニークな造りを

走水第一隧道6/ORR

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していて、笠石とリングアーチの隙間がほとんどない。こんな形状はこれまでの所他では確認できていない。本来なら笠石とアーチの間にあるはずの扁額も当然存在しない。そりゃそうだろ、スペースがない以上物理的に存在のしようがない。という事は設計段階から扁額は対象外だったのだろうか? リングアーチはレンガ製で四重巻きのヨンジュン・ペ仕様

走水第一隧道7/ORR

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それが唯一走水第一隧道に残るレンガである。表層は石組みで隧道としては申し分ないパーツの集合体であるが、内壁に分厚い層のモルタルが巻かれ断面が一回り小さくなっているばかりか、全体像もぼやけた印象となり、コンクリ隧道のように見えているのは大幅なマイナスポイントでモルタル補強の功罪は大きい。続いて連続する走水第二隧道を見てみよう。

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