ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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走水第二隧道

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走水第二隧道の取扱説明書

関東圏の大動脈国道16号線の旧道にしてレンガと石組みという組み合わせも豪華絢爛ながら美しい形状を持つ走水第二隧道。割とこじんまりした造りの走水第二隧道だが、その希少性は全国の大物達と互角に渡り合える特殊な構造を兼ね備えており、その実力たるや全国でもトップレベルのお宝隧道だ。

 

走水第二隧道1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

実は走水第一第二と連続する2本の隧道は本来第二から進まねばならないルールがある。そのルールを破って第一から紹介したのはただ単に名称から順を追っただけで、特に意味はないのだが、走水隧道を通行する場合無意識に第二第一の順で通過する事になる。というのは現在この道は一方通行として規制されているからだ。バイパスがなく、ここが国道であった

走水第二隧道2/ORR

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時代は当然交互通行であっただろう走水隧道も現在は一方通行に規制され、対向車を意識する事なく通行できるように改善されている。隧道の坑口手前は全て共通し昔の名残か対向車を交わせるように幅員が広めに取られている。坑門に目を向けると、第二は走水第一隧道よりも明確な坑門である事が分かる。ぼやけた印象の第一とは違い細部のディテールまで

走水第二隧道3/ORR

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詳細に把握する事が出来る。まず何と言っても石垣と一体となった特殊な坑口とその美しさに目を惹かれる。細かく言えば決して丁寧に積まれている訳ではない石垣も、全体像で捉えればひとつの芸術作品の域に達しており、港町らしいオシャレな感覚が垣間見られる。装飾は笠石とリングアーチのみだが、笠石も山の斜面に合わせた形で変則的だが実に絵になっている。

走水第二隧道4/ORR

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それとリングアーチが異常に分厚いのが特徴のようになっているが、本来は外側のレンガ巻きのみで、後から内側に分厚いモルタルが巻かれ、レンガアーチとモルタルアーチをコンクリの表層でベタ塗りして隠してしまった事から浜ちゃんの唇のようになってしまったが、本来はもっとスマートであったはず。内径が初代よりも一回り小さくなってしまっているが

走水第二隧道5/ORR

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それでも大型車1台は現在でも楽に通し、実際路線バスの通り道でそれも頻繁に通っている。その上人道まで段差付きで設置されていて歩行者にも優しい設計となっている。照明も自動車用と歩行者用の二箇所に設置され安全面の配慮は充分と言え、その安全性を知ってか知らずか実際に歩行者も多い。内壁は竣工当時のままレンガであったならば県下でも一二を争う

走水第二隧道6/ORR

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お宝隧道であったはず。現状でも充分お宝物件ではあるのだが実におしい。と思ったら反対側坑口がすんごい事になっていた。名越ショックも冷めやらぬ間に今度は走水第二ショックである。なんだコレ?形状が名越とそっくりだ。ここも落石による事故でもあったのだろう。突貫工事にてこしらえただろうからデザインや景観との調和などとは一切関係なく、

走水第二隧道7/ORR

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実用性重視の一辺倒な造りから、とってつけたという言葉があるが、それはまさにこのような物件の為に存在する言葉だという事を実感せずにはいられない。しかも腹立たしいのが名越と同じでレンガアーチが残っている点だ。し・か〜も、驚くべき事にな・な・な・なんとORRの調査開始以来初の五重レンガ巻きであるカトちゃん・ペ仕様であった!

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