ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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畑隧道

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畑隧道の取扱説明書

県道28号線旧道に現存する畑隧道。それほど隧道に恵まれる訳ではない県内の道路隧道では知る限り最古であり、県を代表する道路隧道である事は間違いない。オールレンガ巻きの畑隧道は全国クラスの大物で坑門が非常に珍しい造りをしていて一見の価値がある。旧道の崩壊が進んでいるが畑隧道自体は全く損傷しておらず落盤する気配すら感じない。隧道が封鎖されておらず通り抜け可能な点も賞賛に値する。

 

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遂に畑隧道通称ハタトンがその姿を現した。ヘナリワンが必死な形相で睨みつけるが完全に負けている。今回も強敵である事はこの位置からでも明らかだった。だが必死に言い聞かせる。ここはかつての主要2桁県道。けっして心霊スポットなどではない。そうだそうだ!(←自分で応援してる)近づいてく近づいてく決戦の金曜日♪とりあえず歌ってみるが気のせいか

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声が若干震えてしかも2オクターブ高い。声も裏返ってきた。落ち着いてみよう。巨大な堀割にて畑隧道へと導かれるが現在では一部崩落につき車での通行は不可能となっている。最もゲートに阻止されている時点で既にアウチではあるのだが、進入できた所で通り抜けは出来ない。掘割は乱れ石を積み上げられた俗に言う野面積みも、かつての主要県道であるそこは

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しっかりと城壁の如く切込ブギもしくは打込ブギの丁寧な造り込みを施してもらいたかったが工期短縮経費削減などの理由からどうしても野面積みを採用しがちで畑峠も例外ではなかったようだ。長い目で見れば城がなくとも城壁だけは残っている箇所は全国に五万とある事から主要路という事でもう少し予算を割いてもらえればこのような惨状には至らなかったのでは

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ないだろうか?坑門直前が最も崩壊が激しくこのままだと大変重要な文化財が埋没してしまう危険性も充分に有り得る。県を代表するお宝隧道で当然全国区の大物である畑隧道。坑門はオールレンガ製で扁額は確認できない。装飾としては笠石とリングアーチが採用され、リングが四重巻きのヨンジュン・ペ仕様である。ここももうひと巻きすればカトちゃん・ペ仕様だった

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事を考えれば実におしい。当然内部もオールレンガ巻きで落盤もなく現在に至っており、内部はすぐにでも使える状態にある。照明が設置されていた痕跡はなく現役最後まで照明は無かったと思われる。断面はそれほど大きくは感じなかったが、内部は普通車の離合が可能な幅員で、大型車に来られてはお手上げだが、それなりにうまく捌けていたのではないだろうか。

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明治竣工でこの大断面は首都圏に位置しその交通量の多さ故か。反対側坑門はこれまで見た事もない仕様になっていた。坑門自体が堀割の延長で野面積みとなっているのだ。これは非常に珍しい造りで、野面積みえ〜んどレンガという組み合わせは記憶に無いし、昭和になって改修を受けたとかいう訳でもないのに、これだけ相反する坑門を当初から持っていた隧道という

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点でも大変重要な物件である。こちら側の掘割は野面積みが残るも後年に大規模な補修が成されたらしくコンクリの側壁となっている部分もあった。畑隧道の歴史なる看板が設置されどうやら史跡として保存するらしい。路面も何故かダートになっており明治の雰囲気を再現したのだろうか?畑峠にある畑隧道は保存という名の放置プレーで予断を許さない状況が続く。

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