ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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青田隧道(1)

★★★★

 

青田隧道の取扱説明書

市販の地図にはその存在がはっきりと記されており、その線形も非常に分かり易く、青田隧道は誰でもいつでもどなたでも発見は容易であり、これを見過ごすようではハンター失格である。東名高速のインターを降りて僅か1分という抜群の好環境に眠るレンガ隧道は、恐らく竣工後1世紀近くも経ているはずなのに、今尚現役の道路として職務に就いているのには頭が下がる。現場の状況を見る限り、まだ引退するつもりはないようなので、少し安心した。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ここは東名高速のインターを出てすぐの新興住宅地である。最近オープンしたと思われるショッピングセンターや、新築の一戸建てなんかが建ち並ぶベッドタウンのような場所である。インターのすぐそばというアクセスの良さを売りにして、開発の手が急速に拡大しつつある街、そんな印象を受ける。県道の新青田トンネル手前までは、ここ数年内にすっかり様変わりしてしまいそうな勢いでその時問題の青田隧道がいったいどうなってしまうのか、その行く末が少々心配ではある。

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現道の新青田トンネルは東名高速のインターに直結しているだけあって、大型車同士の内部相互通行を許す、どこにでもあるような一般的なコンクリトンネルである。ただ新とは言っても竣工が昭和40年代であり、爆発的に増加する自動車に対応できない旧トンネルに変わって登場した新青田トンネルも、勤続30年というベテラン隧道であり、新興住宅街という場所柄、いつ新トンネル構想が持ち上がってもおかしくはない。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

新青田トンネルは歩道を完備しておらず、昭和中期の隧道群に多く見られる、とりあえず隧道前後の渋滞を解消しましょう、大型車を楽に通すトンネルを掘りましょうというスローガンの下、短期的視野で突かれたもので、完全に歩行者をないがしろにした設計は、幸か不幸か結果として明治のレンガ隧道を平成に入った現在でも生かす事となる。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

オレンジのセンターラインで導かれる現道の先には小高い丘のような山が立ちはだかっている。恐らく住宅地の開発もその山を越える事はないであろう。新青田トンネルの直前では人家もまばらで、歩道を完備していないせいか、車の往来は激しいのに、人の姿は全く見られない。

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新青田トンネルの銘板を確認しに来たのだが、なんといやらしい事に新青田トンネルの竣工年は遥か頭上の扁額に刻まれているのだ。僕のデジカメがズーム非搭載である事を知ってか知らずか、極稀にそういう物件があるのだが、新青田トンネルは現役のトンネルで、しかも交通量が激しく、とてもじゃないが秘儀ジャンピングショットは危険過ぎて、今回は使えそうもない。

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とゆう訳で最大限手を伸ばして扁額を撮影した画像を拡大し、昭和四十という所までは判明したが、解像度が低いものだからAVのぼかしのようになっていてよくみえない。チクショーこのぼかしが取れたらなーなどと意味不明な言葉を発しながら究明作業は続いたが、結局新竣工年は分からず仕舞いであった。再び旧道との分岐点に戻ると、チャリに乗った学生の一団が、隧道方向からやってくるではないか。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

という事は歩行者用通路として今でも使われているのは確実。早速旧道へと進むが、面白い事が判明した。旧道はほとんど高低差なく横ばいに進むのに対し、現道は少しでも尾根に近づこうと分岐から更に上り詰めて行くのだ。普通逆だろ。旧道の遥か頭上を突く新トンネルは当然その延長も短く、旧隧道の方が遥かに長いのだ。

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