ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>東海>静岡>風吹隧道

風吹隧道(1)

★★

 

風吹隧道の取扱説明書

現在は豪快な切り通しとなっている風吹峠であるが、つい数年前までは隧道によって通されていたと言う。碑文にはそう記されているが、問題の風吹隧道はこの世から消し去られてしまったのだろうか?いや、そうではなかった。風吹隧道は切り通しとは別の場所に眠っていたのである。風吹隧道への接近は容易であるが、現場は極めて危険な場所であり、オススメできる物件ではない。また命を懸けてまで拝みに行くような物件でもない。だが碑文を読み終えたならばどうしても風吹隧道を見てみたくなる衝動に駆られるのも事実。突撃の際にはヘルメット着用をお忘れなく。

 

image001

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

今日どこにでも見られるような歩道付きの2車線路。それを駆け上ると豪快な切り通しとなっていて、本来ならばスピードに任せて、瞬く間に駆け抜けて行くはずである。しかし峠を越した所に石碑が建立されていた。そこにはこう書かれていた。風吹トンネルの由来・・・以下省略。その昔はここに隧道があった訳か。しかし今では完全な切り通し。という訳でしゅう〜りょ〜!とはならなかった。

image003

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

念の為その場で地図を確認してみると、なんと切り通しとは別に隧道らしきものが、小さくもはっきりと描かれているではないか!どこだどこだ、入口はどこだ!今来た道を一目散に駆け下りると、そこには採石場へと通ずる一本の道のみが存在した。この先にあるのか?てゆうかこれが旧道なのか?パッと見は旧道のように見えない。何せダンプが激しく行き交い、現道から先は完全な私有地のような状況となっているからだ。

image005

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ダンプの運ちゃんに頭上から流し目されながらも、とりあえず進入してみる。するとダンプは二手に分かれた道の左側を激しく往来しているのに対し、右側はいきなりのフェンスである。これが旧道か?側壁を見る限り遥か頭上までコンクリの覆工である事から、単なる天然の崖などではなく、明らかに道路を通す為に削られた人工的な壁と見て間違いないだろう。

image007

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

単なる採石場であればそんな壁面などは必要ない。つまりこれは旧道であり、この先に風吹隧道が眠っているはず。バリケードは強力で、その先は徒歩での調査となったが、それはすぐに現れた。風吹隧道だ!坑門は斜めに口を開いており、現役当時はさぞかし見通しの悪い難路だった事が窺える。坑門手前は瓦礫の山と化しており、頭上からは絶えず鉱山で操業している作業車の音が聞こえる。

image009

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

瓦礫の山が意図的に落とされたものなのか、自然災害によるものなのか、また常時少しずつ落ちてきているものなのかは定かでないが、身の危険を感じたので、引き返してヘルメットを装着した。もしも握り拳大の石でもヒットしようものなら恐らく助からない。バリケードの付近にも小石が散らばっていたが、隧道直前はそんなものじゃない。

image011

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

強固なバリケードは、単に侵入してくる者がうざいからという理由だけではなく、大変危険であるという意味が瓦礫の山を見て理解できた。坑門直前の掘割部が最も危険な状態で、そこでの長居は無用だ。さっさと掘割を抜けて坑門前に達すると対抗の明かりが見えた。内部は特に落盤などは見られず、全く損傷は無い模様。坑門は鉄製の金網に覆われ、シースルー状態にあって今一判然としないが、昭和中期と思われるややお疲れ気味のコンクリ製である。

image013

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

笠石、扁額、帯石、アーチを備えているが、リングアーチには微妙に筋が入っており、ブロックを丁寧に嵌め込んだような形状をしているのだが、確認を怠ってしまった。フェンスには出入口があり、鍵はかかっていない。内壁は凹凸のないコンクリで全面が覆われていた。

風吹第二隧道へ進む

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ