ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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風吹第二隧道

 

風吹第二隧道の取扱説明書

峠の碑文により三つの隧道の存在が明らかとなった風吹峠隧道群。二つ目の風吹第二隧道は距離も短く、何の装飾も無い平凡なコンクリ隧道という姿はがっくりきてしまう。コンクリ製とは言え、それなりの装飾を備えていた風吹隧道と比較して何の特徴もない風吹第二隧道。下手すると没ネタにもなりかねない物件であるが、碑文から歴史的背景を知れば、取り扱わない訳には行かない重要な物件であり、昭和遺産としていつの日か脚光を浴びないとも限らない。評価は最低であるが、それは大改修を受けてしまった現状の姿に対するパッと見の評価であり、地域の人々にとってはそれがどんな形状であろうとも大事な生命線で、長きに渡る活躍に対する功績を認めた上である事を付け加えておく。

 

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風吹隧道は内部への進入が可能な事から、徒歩での貫通という選択枝もあったが、時間の都合上それは断念せざるを得なかった。危険な掘割部を素早く通り抜け、単車に跨ると現道へと戻り、切り通しの風吹峠を越えて今後は逆側から攻めてみる。こちら側は簡易ゲートが設置されていて、いかにも旧道といった分岐である。

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上空に向かって真っ直ぐに伸びる現道とは違い、薄暗い山塊の懐へと突っ込んで行く旧道は、すぐに山肌にぶち当たる形状から、その先には隧道が待ち構えている事は十中八九間違い無かった。それが現在通れるか否かは別にして、この先につい数年前まで現役の県道として使われていた隧道が存在する事は、碑文に記された内容からも明らかであった。地図には隧道がひとつしか描かれていない。

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しかし碑文には三つの隧道が突かれたとされているのだ。案の定旧道に入ってすぐに坑門が現れた。それは位置的にも形状的に見ても、風吹隧道でない事だけは瞬時に判断が付いた。風吹隧道も古惚けているコンクリ隧道であったが、こちらはそれ以上に小奇麗な近代的なコンクリ隧道であり、それは最早隧道と呼べる代物ではなく、誰がどう見ても普通のトンネルなのだ。

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旧道は現道との分岐点こそ普通車同士の離合を許さない狭さであったが、坑門前では大型車同士が離合可能な幅員にまで拡幅されている。それを見る限り当ルートが現役時代は、それなりの処理は出来ていた事が窺える。延長距離は非常に短く、隧道内部へはどちら側からも充分な明かりが差し込み、恐怖などとは無縁だ。こんな短い風吹第二隧道であるが、照明が設置されているのには驚いた。

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現道は歩道付きの切り通しとなっているが、ここを車両以外に徒歩やチャリで通行している人がいたのだろうか?今でこそ自動車での移動が当たり前という時代であるが、その昔は真逆で自動車での通行が珍しく、照明はその時代の名残だろうか?内部は大型車1台なら楽勝で、普通車同士の内部離合も可能な幅がある。

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碑文には昭和32年に改修と記されており、現在の姿が昭和32年当時のものかは定かでなく、その後も細かい改修は成されたとしても、昭和32年に抜本的な大改修が行われたのは間違いないだろう。昭和中期まではどのような形状をしていたのか今では知る由も無いが、現状よりもずっと狭く照明さえない洞窟のような状態であったのかも知れない。反対側の坑門もどノーマルであり、歴史的背景を考慮しても残念ながら価値は見出せない。

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先代を大改修してしまった事に風吹隧道共々非常に残念でならない。というにもこの界隈にはレンガ隧道が複数現存し、実は風吹隧道群もそれらに負けず劣らずの歴史的背景を持っているからなのだ。全ては風吹隧道の後半戦に明らかとするが、三つ目の隧道には弥が上にも期待が高まる。第三隧道はどこだ?

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