ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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三浦隧道(1)

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三浦隧道の取扱説明書

お宝隧道オンパレード地区に残されるレンガ隧道は、歩道への転用や町道格下げなど何等かの形で再利用されるケースが多い。ただ一部の隧道は封鎖や放置されたままなのも事実。ここ三浦隧道は封鎖ではなく放置である。従って今後世間の道路遺構に対する意識が変われば、行政が動きだし整備に着手して保存される可能性は大いに有り得る。今は現道からその姿を一瞬だけしか捉える事が出来ず、パッと見の印象としては超キモイ穴としか映らない。私的にはキモイままで良いと思うが、下手に封鎖されるくらいなら再整備された方が幾分マシかも知れない。

 

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道路におけるレンガ隧道は鉄道に比べ圧倒的なパイの少なさからその希少性故にすぐに飛びつきたくなる物件ではあるが、お宝隧道製造工場である当路線においてそれは該当しない。現道の脇には必ずと言っていいほど旧廃隧道の姿を見つける事ができる。それはレンガ隧道がゴロゴロ転がっていると表現した方が正しいし、石を投げればレンガ隧道に当たると置き換えても差し支えない。

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とにかく現道を流しただけでも次から次へとそのお姿が視界に飛び込んで来るのだ。当路線の起点から終点まで走り終えた頃には、レンガ隧道なんて珍しくもないんだという意識に変わっている事だろう。いくら神戸牛のステーキが大好きだからと言って一週間に渡って毎晩ステーキが出されたら飽きてしまうのと同じだ。見慣れる事によって感覚が麻痺してしまうのだ。

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だが全国的に見ればその数は少なく、ただ単に当路線に集中し過ぎているだけで、さながらレンガ隧道博覧会と化している。そんな紀州博の会場において車両による通り抜けが最も困難とされるのがここ三浦隧道である。片側の坑門のみ現道沿いに面しており、走行中のドライバーその姿を一瞬だけ捉える事ができる。それはほんの一瞬の出来事で、気付く人は気付くし、気付かない人は全く気付かない。

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同じ前方を見ているにもかかわらず、見えている人、見えていない人、気付いたけど興味のない人と様々である。この界隈の住人やこのルートを通勤している人にとってその存在は当たり前であり、今更騒ぐほどのものでもない。従ってそれが宝石の原石である事にほとんどの人が気付いていない。僕にとって一般の人が欲しがる宝石とは単なる石でしかない。

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同じくここを通い慣れた人やドライブ・ツーリングで通り過ぎて行くだけの人にとって三浦隧道は単なる使われなくなったトンネルでしかない。何に価値を見出すかによってその後の人生は大きく変わってしまう。くれぐれも僕みたいにほとんど価値の無い物に無理矢理価値を見出すのはやめましょう。世に認知されるまでは変人扱いですから、良い子のみんなは普通に働きましょう。

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早速お宝道路遺構が視界に飛び込んできた。白看だ。支柱は錆び錆びだが、どっしりと構えており、今すぐ抜け落ちるという感じはしない。白看だけでもう国道臭がプンプン漂ってくる。石材店の裏を抜け、ほとんど直線に近い砂利道を緩やかに上り詰めると、そこから先は180度ターンして峠に対し旧道は一旦背を向ける。かと思いきや、それは旧道ではなかった。

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旧道は曲がる事なくその先も森の奥深くへと続いていたのだ。現在の線形は誰がどう見てもUターンしている方が本線で、もしこの道の事を何も知らずに迷い込んだとしても、十中八九そのまま上り詰めて行くに違いない。しかしかつて本線であったはずの直進方向は、もう何年も車両が通った形跡は無く、自然に還る一歩手前という状況にあった。

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