ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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相賀隧道(1)

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相賀隧道の取扱説明書

これまで次々とお宝隧道を掘り起こしてきた当路線もいよいよ大詰めを迎える。町道に格下げされ今でも車道として生き残った物、歩道として第二の人生を歩む物、放置されて日々その凄みを増して行く物、それぞれどの物件にも味があり、そこには人生の縮図に似た隧道ドラマがあった。相賀隧道は今の今まで再利用される事は無かったが、この物件が歴史の証人として、今後もそこにあり続ける事を、願わずにはいられない。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ここ相賀隧道は現道からその姿を、はっきりと拝む事はできない。かと言って全く見えない訳でもない。その微妙な所に惹かれて、ついつい覗いてしまう人もいるのではないだろうか。その昔は山肌を引っ掻き傷のように削って、道を付けて行く方法しかなかったが、やがて橋を架けて谷を渡すという技術が導入される。それは革命的な出来事で、隧道と橋梁を組み合わせれば、もはや車両を通せぬ所などないと言わんばかりの勢いで、建設されたのだろう。

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当時の築かれた物は今では使い物にならず、廃棄された路線も多いが、その下地があったからこそ現在の技術がある訳で、我々はその事を決して忘れてはならない。彼等の血と汗と涙の結晶である難産の末に誕生した産物達を、臭いものには蓋をしろとばかりに封鎖されて行く全国各地の隧道群。先人達が見たらいったいどう思うだろうか?きっと泣いているはずだ。

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俺達が造った道は使い捨てなんかじゃねーと憤慨しているはずだ。現代人は余りにも多くの大事な事を、どこかに置き忘れてきてしまったようだ。今目の前で見る物全ては先人達が築き上げてきたものを改良してきたものであり、ビックバンのように突如この世に現れたものなどひとつもないのである。我々は産み落とされこの世に生を授かった時点で鉄の塊が空を飛んでいた。

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300キロの猛スピードで列車が目の前を駆け抜けて行く。雲の上に隠れてしまいそうな超高層ビルが建ち並んでいる。1万曲の音楽が片手にすっぽり収まってしまう。いつでもどこでも時と場所を選ばずにピピッと意思の疎通が出来る。それらは一夜にして突如この世に出現したのだろうか?そうではないでしょう? そんな事は物心ついた人間なら誰しも分かっているはずだ。

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今の時代は何でも簡単に手に入るから、簡単に捨ててしまえるのだ。それが物事を軽んじる傾向を助長させている。先人達は決して未来人に使い捨てされるものを造ったのではない。より便利になり快適になって欲しいとは願っただろう。だが決して未来人を堕落させる為のものではない。継承する技術を応用し、より良い物を生産する為の足懸かりとしてほしかったんじゃないか?

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更に先の人達へ向けて、より優れた創造物を送り届けて欲しいと願ったんじゃないか?それは先人から現代人そして未来人へと続く技術の聖火リレーである。その命とも言える火を我々現代人は今自ら絶やそうとしている。有り余る物を利用するだけ利用してポイ捨て。物作り国家として世界でも類を見ない急成長を遂げた日本から、職人魂というものは消え去ってしまったのだろうか?

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いや、魂を持った職人達は数多く存在するのだ。では彼等が志半ばにして挫折して行くのは何故だろう?その元凶は一般庶民一般大衆の大きな勘違いにある。消費者の1円でも安くという異常なまでの追求が、製造業者達を追い詰めているのだ。それを今すぐ止めなければ日本は終わる。

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