トップ>隧道電撃ネットワーク>北近畿>兵庫>鐘ヶ坂明治隧道 |
|
鐘ヶ坂明治隧道(4) ★★★★★ |
|
鐘ヶ坂明治隧道の取扱説明書 先頃日本土木学界から日本発のレンガ隧道と発表のあった鐘ヶ坂明治隧道。日本土木史に残る重要な建造物であるがこれまでぞんざいな扱いを受け現在瀕死の状況にある。日本発のレンガ隧道とはいったいいかなるものなのだろうか。今ここに公開する!
|
|
|
道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書 いよいよとんでもない事態になってきた。ここまでいくつもの崩落箇所を乗り越え決壊箇所をすり抜け倒木を跨ぎ前進してきたが、最早体力の限界である。これ以上倒木を退かす力もヘナリワンで乗り越える気力も、残されてはいなかった。ただ倒木の向こうにそれはあったんだ。やつはすでに目の前にいた。荒れ狂ったような倒木の嵐の向こうに |
|
空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書 ひっそりと息を潜め、もがくへなりとヘナリワンをじーっと見ていたのだ。全身に鳥肌が立つ。いくつもの隧道を見てきたさ、しかしこいつは明らかに何かが違う。これまでの隧道には無い何かをこいつは持っている。動く事も呼吸さえも許されぬ強烈な威圧感を放つ鐘ヶ坂隧道。少しずつ静かに近づく。もしここで大きな音でも立てようものなら眠れる獅子 |
|
お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書 を呼び覚ましてしまうのではないかという恐怖感が全身を支配していた。呼吸さえままならない、例えるなら本堂で座禅を組みピーンと張った空気の中で微動だにしてはならないあの状況と同じだ。この状況下で鼻息が荒井注なのは致命的である。ターゲットが目前に迫る。ここまで来たら覚悟せねばなるまい。もうとっくにパンツは黄色く染まっていた。 |
|
羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書 威圧感の正体、それは幅員に対しての異常な高さにあった。大型バスでも問題ないその高さは、来る自動車時代に向けて後年掘り下げられたのだろう。そのアンバランスな点が恐怖感を1.5割増しにしているのだ。国家の威信を懸けた日本初のレンガ隧道。その意匠からは当時の意気込みがひしひしと伝わってくる。笠石、扁額、帯石にアーチ環 |
|
www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 そして極太の門柱。何もかもが立派だ。各々のパーツが個性を主張しつつも全体がまとまっていて、異様な高さを除けば近代土木工学における造形美の結晶と言っても過言ではない。内壁のレンガは一部が剥離しているが落盤の形跡はなく、阪神淡路大震災に耐え抜いた事は明々白々で、頑丈な造りも実証済みで耐震性も韋駄天である。洞内は |
|
ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書 二階建てバスも楽勝の高さを有し、それは照明の落とされた大聖堂の通路に等しい。霊道としてあの世に通じていそうなその先に見えるのはプール状の湿地帯で、通り抜けは秋田のドンに託す以外にない。鐘ヶ坂隧道について新聞はこう語る。新トンネルが完成すれば明治、昭和、平成と三世代トンネルとなり、明治隧道は公園として再整備するの |
|
だと。恐らく明治隧道は現在の威圧感を削がれ大人しい隧道に生まれ変わるだろう。時代の流れに逆らえず地図上から抹消され、人を寄せ付けない状態にまで陥った末期の姿をORRでは記録しておきたかったのだ。ひっそりと闇に葬られた鐘ヶ坂隧道の真の姿は今こうして永遠のものとなった。 鐘ヶ坂隧道3へ戻る |