ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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水呑隧道

★★★★

 

水呑隧道の取扱説明書

水呑峠に旧隧道が存在する。地図上からそう読み取れる。現水呑トンネルの竣工が198010月だから旧道化してかれこれ25年以上経つ水呑隧道は果たしてどのような姿をしているのだろうか?そして通り抜けは可能なのだろうか?水呑隧道は想像を絶する状態で目の前にその姿を現した。

 

水呑隧道

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嫌な予感は的中した。想像を絶する状態で水呑隧道は目の前に現れた。当初左から崩れている土砂がダート道でまだ続いているのかと思った程で、高さ制限標識が押し潰されていたら恐らく一発では気付かなかったと思われる。画像のど真ん中にあるのが水呑隧道なのだが、お分かり頂けるだろうか?えっ、分かんない?それでは局部アップしてみよう。

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どうですかお客さん?左から物凄い量の土砂が路面を覆い尽くし高さ制限標識も曲がってしまっているが、この標識が何とか持ち堪えた事によって水呑隧道が藪の先にあると判断でき、実際は現場でもかなり接近しないと穴が開いているとは思えない程深刻な状況となっているのだ。確かに穴は開いている。水呑隧道に間違いはない。しかし数十年モノの樹木を含む

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大量の土砂が隧道手前を塞いだものだから密林を分け入ってやっと隧道と確認できる状態であって、ちょっと離れると単なる山肌でしかない。よって一番隧道らしい画像がコレである。残念ながら全体像は収めきれない。コンクリのようにも見えるが石組みのようにも見える。仮にコンクリであったとしても表層に波があり近代的なものではなさそうだ。内壁に目を

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向けても下半分の垂直部分に関してはコンクリっぽいのだが上半分のアーチ部は石組みのように見える。更に奥は凹凸がありテボッチャーのようだ。向こう側の出口の明かりが微かに確認できるのでほぼ直線である事は分かった。しかしその距離は長く、坑門付近は路面から1/3程が土砂で埋り、かなり高い位置から覗き込むような態勢を強いられ、覗くと隧道内は

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水没していて入れそうにない。それが元から水没しているのか崩れた土砂に流れを遮られ地底湖と化したのかは分からないが、少なくとも水の捌け口はない。土砂崩れ以前に鉄骨によりきっちり封鎖された水呑隧道は通行止看板まで設置されており、土砂崩れがなくとも通り抜けは不可能でここまで見事なまでに壊滅状態であると素直に諦めもつこうというものだ。

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早速下山して逆側からのアプローチを試みる。稜線が見えるもそれは絶望的な高さにあり峰越えルートを断念したのもよく分かる。最も窪んだ箇所が本来の水呑峠であろう。その直下にぽっかりと開く小さな小さな穴。普通車1台がやっと思える程の幅員で、これで県道なのだから恐れ入る。ぶっちゃけ怖過ぎるぞ水呑隧道。真昼間から鳥肌立ちまくりだ。

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こちらの坑門は後年改修されたのだろう、随分綺麗なコンクリである。まあ後年と言っても新道に切り替わったのが198010月だからかれこれ25年以上も前の話だ。笠石のみというシンプルな造りで、こちら側も鉄骨ゲート及び水没していて残念ながら恐怖のあまりチビッて時間的に内部への潜入は叶わず、内部構造を把握できないまま水呑峠を後にするしかなかった。

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