ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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深谷隧道

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深谷隧道の取扱説明書

その延長距離もさる事ながら坑口の狭さ内部の特殊な構造と、どれを取っても強烈な逸品で構成されている深谷隧道。トータルバランスに優れた大物で全国区でも上位争いは必須だ。これで遂数年前まで現役の県道であったとは驚き以外の何者でもない。紀州ナンバーワンの呼び声高い深谷隧道をとくとご覧あれ。

 

深谷隧道

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

稜線が遥か彼方に見える山塊の中腹に突かれた小さな小さな頼りない穴。これが199912月新深谷トンネルが開通するまで現役の県道として機能していた隧道である事は疑いようのない事実であるのだが現場の状況からはとても信じられるものではない。ヘキサを含めて県道であった証が一切ないし普通車でも大型のものは挟まってしまうようなこのクソ狭い隧道が

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県道だったと言うのか?うっ嘘だ〜、頼む、嘘だと言ってくれ〜、嘘だと言うんだジョー!しかし帰還後無情にも、かつて愛用していた地図には深谷隧道のみが記載されていた。よってこれが県道であった事は残念ながら確定である。坑門はコンクリの平凡なタイプで際立った特徴はない。但しその狭さを除いてはね。普通車でもミラー折り畳んでの

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シェイプアップガールズか?危険だ、これで数年前まで現役だったというのか?しかも中途半端な位置に突いた為、その距離はえらい長いぞ。向こう側の光は見えているがその怖さは半端ではない。逝かねばならんのか?心拍数はドクターストップ直線のマックスに達している。だが唯一の安心材料があった。それが向こうの光が見えている事と内壁が滑らかな

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見た目大人しいコンクリ壁である事だ。時間が経てば経つ程恐怖感は増大の一途だ。意を決しいよいよ突撃開始命令が下る。怖くない怖くない。県道県道元県道。呪文のように唱えいざ出陣!最初滑らかだった側壁の異常に気付いたのは進入して間もなくの事だった。形が崩れてないかい?あれ、ちょっと耶馬溪でないかい?聞いてないよ、なんという事か、

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ただでさえその狭さと長さに逝きそうになっている僕の目の前にベールに包まれた深谷隧道が遂にその本性を現したのだ。うっわっ!巨大なホールだ。内部離合を可能にしているよこの隧道。あれ?なんかおかしいよ、洞窟?ヤバイってこれ。この時点で半泣きから本泣きへとシフトチェ〜ンジ!もう我慢できん言っちゃうよ、お母さ〜んさ〜んさ〜ん

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遠かった 怖かったでも

時に素晴らしい 道であった

峠であった どうしようもない

穴に惹かれて 濡れてる股

これでもまだ 悪くはないよね♪

闘いは終った。僕は今ここに深谷隧道の真髄を見た。これまで闘ってきたどの強敵にも引けを取らない強烈物件であった。

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こちら側の坑門もコンクリ製で装飾は笠石と扁額のみとシンプルな造りで、扁額には隧道名でない何かが描かれているがそれどころの話ではない。掘割は打込ブギによる年代モノで味がある。狭い坑口、延長距離、特殊な内部構造とトータルバランスに優れた深谷峠深谷隧道は紀州一の呼び声高く、全国区でも上位争いに加われる器である事をここに認定する。

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