ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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松尾隧道

 

松尾隧道の取扱説明書

松尾峠には現在2本の風穴が開けられている。現道のトンネルは平成に突かれた近代的な構造で、旧トンネルがどのようなタイプであるのか非常に期待を持って挑んだが、残念ながら峠には昭和後期を思わせる平凡なコンクリトンネルが待っていた。

 

松尾隧道

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現道との分岐には松尾峠ではなく持ヶ峠と記されている。状況がよく分からないが、とにかく行ってみるしかない。旧道らしき道に入るとセンターラインのある2車線路が続き、どうみても旧道という感じはせず、それは現道にしか見えない。分岐から上り始めるも、いかほども進まぬうちに、次なる分岐が現れるも、稜線が目の前に立ちはだかり、本線は進路の選択を迫られる。どうにも

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ならなくなった本線は、左へ大きく弧を描き、稜線の直下に風穴を開ける事で対処していた。峠の直前で分岐する1車線路だが、地図ではその名もなき道の先に持ヶ峠と記されており、松尾峠と関わりがあるのかどうか大いに気になる所ではあるが、今回は時間の都合上パスだ。現道の松尾トンネルはピカピカのトンネルであるが、松尾隧道も負けず劣らずの立派なコンクリトンネルで

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名称こそ松尾隧道となってはいるが、誰がどう見ても現代どこにでも見られる普通のトンネルである。正直面白くも何ともなく煮ても焼いても食えない没ネタ級の穴であるが、旧道化してしまったのだから取材しない訳にはゆかない。しかし僕も血の通った人間だ。当然感情を剥き出しにする事もある。ある程度の期待を胸にえっちらこっちら山奥までわざわざやってきてこれかよ!と

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ガックリきてその場で荷物をばらし、弁当を食べ始めた。どうせ旧道だし、こんな場所誰も来ねーだろ。僕は直射日光を避け、坑門前の片側1車線を陣取り、荷物を路上にたっぷりと広げて、昨晩スーパーの争奪戦でゲットした半額シールの付いた弁当で、優雅な昼食に舌鼓を打った。なんか隧道の前を陣取って食事をするというのも違和感ありありだが、そこがつい最近まで現道だったと

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思うと不思議な感覚である。だが物音ひとつしないそこはやはり旧道なんだと実感できるし、よくよく考えてみれば、松尾隧道が閉じられずに通過できる状態で、内部へ堂々と入れるだけでもマシではないか。もし松尾隧道が金網などで封鎖されていたとしたら、それこそ怒り爆発で何をしでかすか分からない。小麦粉と生卵それに生麺をボックスの中から取り出して、広島風お好み焼き

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とか作っちゃうかも知れないのだ。廃隧道の坑門前でお好み焼きを作る男。その姿は余りにも危険過ぎる。僕なら絶対に関わりたくない。見た瞬間有無を言わさず逃げ出すだろう。その背後をちょっと待ってよ〜一緒に食べようよ〜と広島風お好み焼きを片手に追いかけてくる変なおっさん。何故か二人前を用意してある点も意味不明で不気味だ。怖え〜!まあそうさせなかっただけでも

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良しとすべきか。結局煮炊きはせずに済んだ松尾隧道坑門前で、静かに弁当をパクついていると、静寂を打ち破るようにトンネルの向こうからから轟音が鳴り響き、闇を切り裂く一筋の閃光が迫ってくる。なんなんだいったい?まさか松尾隧道に車両が通るなどとは思っていなかったので、路上にはボックスや単車が堂々と置かれている。

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