ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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樫佐古隧道

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樫佐古隧道の取扱説明書

親子三代に渡る隧道物語の初代である樫佐古隧道は完全1車線の小さな隧道だが坑門は石組みで内部の造りは石組みえ〜んどレンガという豪華版だ。また路面がダートという点も見逃せない。隧道前後に民家が存在し、いまだに現役で使われているのも驚きだ。また、隧道前にある和製マーライオンも樫佐古隧道を盛り上げる一因となっている。峠道、隧道共にどれもケチのつけようがなく、文句なしのパーフェクトで名古屋坂は見事二冠を奪取した。

 

樫迫隧道

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現道から薄暗く普通車同士の離合が不能な旧道を上ってくるとやがて1軒の民家が視界に入る。今でも生活しているようだ。当然旧道を利用している訳で、いくら交通量が皆無とは言え大変な事だと思う。民家の真ん前に穴が開いている。これが親子三代に渡る隧道物語の始まりである名古屋坂初代隧道の樫佐古隧道である。何故隧道名が名古屋でもなく下界の樫佐古が

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付けられる訳でもなく樫佐古であったのかは不明だ。下界のお婆さんの言う通り隧道は確かに存在し現在でも通れる状態にあった。坑門はオール石組みで門柱こそ確認できないものの帯石、リングアーチはしっかりと見てとれる。扁額らしきものも確認できるが現状から解読は不可能だ。時期が悪かった為か植物に覆われ全体像が把握し辛いがとにかく立派な坑門である。

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内部はこれまた驚きで垂直部が石組みでアーチ部がレンガという一粒で二度おいしい豪華板だ。レンガの損傷が激しいのが気になるが石組みの土台がしっかりした造りなので落盤がどうこうという心配はないだろう。テボッチャーが当たり前という時代でこれだけ立派な造りが成されたという事はやはりこの街道筋が古くから利用されていた重要な街道である事を

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表している。内部路面が未舗装である点も見逃せない。この旧道もその昔は全線未舗装だった訳でその名残がこうして一部でも垣間見られるのは嬉しい限りだ。距離はそれほど長くはなく、全体的に明るく照明の必要は感じられず、当然竣工時から今に至るまで照明類が設置された事はないと思われる。現在樫佐古隧道内部は近隣の住人により物置のように使われていて

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本来なら大型車1台は普通に通れる幅員を有してはいるが、現実には普通車1台がギリギリガールズで普通車でも頑張れば抜けられると言ったのはこの点に尽きる。樫佐古隧道を抜けると和製マーライオンが待ち構えている。見てくれは蛙のようであるが職人さんがわざわざ東京まで出掛け夜の新橋駅前の飲み過ぎたリーマン達の様子を視察しそれをヒントに作製した

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由緒正しき建造物で、この水が旅人達の喉を潤してきたのだろう。土台もレンガ造りで樫佐古隧道の竣工と同時期に造られたものだろう。こちら側の坑門は反対側よりはっきりと表層が確認できる。側壁も含めてオール石組みで扁額そのものは確認できるがやはり文字は判読不能であった。現在は私有地の如く好き勝手に物が置かれ普通車での通行はかなり肩身の

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狭い思いを強いられるが、それを全て退かした所で隧道手前が極端に広くなる訳でもなく、やはり離合がどのように行われていたのかは疑問だ。ここをバスが通った。それは現地のお婆さんの証言だけでなく高知のリョクト氏からも以前掲示板でもたらされた情報と併せて確定だろう。樫佐古隧道を含む名古屋坂は間違いなく高知を代表する名道と言える。

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