ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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名古屋坂

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名古屋坂の取扱説明書

樫迫隧道→名古屋隧道→新名古屋トンネルと親子三代に渡る隧道物語を展開する名古屋坂。中村街道にいくつか残る難所のひとつで現在普通車でも頑張れば通り抜け可能な貴重な街道筋である。旧道沿いには民家が点在し今でも人が暮らしている事から名古屋坂は生活道路として機能しており今後も没する事はない。古き良き日本の姿を今に留めた名古屋坂は文句なしのパーフェクトである。

 

名古屋坂1-1

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現道の新名古屋トンネルに差し掛かると、ほぼ同時に隣の名古屋隧道が視界に入る。これは探すまでもない訳だが、問題はこの上に存在するという更に古い隧道の所在だ。この時点で分かっているのは名古屋坂には親子三代のトンネルが突かれているという事だけだ。その入口さえ全く分からない。それらしき分岐を当たってみる。舗装路から簡易コンクリ、更には

名古屋坂1-2

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砂利道となって現道からは離れて行くその道はどう見ても見当違いと思われた。そこへお婆さんが現れた。周囲には民家が数軒ありその住人であろう、僕は早速こんにちはとこちらから話しかけた。足を止めたお婆さんにいくつかの質問をした。そして返ってきた答えに僕は驚きを隠せなかった。まずこの適当に入ってきた道が旧道で正解だった事、現在でも

名古屋坂1-3

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通り抜け可能で、やはり峠は隧道であるという事、そして最も僕を興奮させた証言がここを路線バスが通っていたという事実だ。そんな馬鹿な、ぜってー有り得ねー!この婆さん逝かれちまったのか?う、嘘だ〜、嘘だと言ってくれ〜!現道から旧道に入るとすぐに数軒の人家に囲まれたヘアピンカーブとなるが、そこをバスが通ったと言うのか?しかも見れくれ

名古屋坂1-4

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アスファルトの路面中央にはびっしりと植物が根付き、普通車同士の離合さえままならない完全な1車線路が続く。こんな険しい山道を本当にバスが通ったのだろうか?僕は半信半疑のまま旧道を上った。稜線が近付きそろそろ峠と思われる地点になんと人家が現れた。その人家の先に名古屋坂最古の隧道である樫迫隧道が遂に姿を現し、峠に達した事を知る。

名古屋坂1-5

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しかし峠へ至るまでバスはおろか普通車でさえ交わせるような場所は皆無であった。いったい現役時はどうやってやりくりしていたのだろうか?隧道を抜けると反対側にも人家があった。洗濯物が干されていて生活感漂う名古屋坂は間違いなく現役の道であった。名古屋坂にバスが通っていたとしたら当時は峠にバス停があったに違いない。しかし下りも幅員は

名古屋坂1-6

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完全1車線で離合ポイントのない区間が続き、生き証人の言葉を額面通り受け取れない自分がいた。峠を境に環境は一変する。上りの鬱蒼とした状況とは対照的に下りは日当りの良い土地で田畑が耕され周囲には様々な花が咲いており、風光明媚な景色にしばしみとれてしまった。外界とはほとんど接触する事なく今に至り昔の姿をよく留めている名古屋坂に

名古屋坂1-7

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僕は桃源郷を見た。路面は乾いており、中央に植物が根付く常に薄暗い上り側とは正反対である。やがて現道が眼下に見えると名古屋坂が現道と比べ随分高い位置である事が分かる。徐々に現道に気付かれぬように接近し旧道とは思えないような合流の仕方をする。どうやら私有地のようで、大きな倉庫の前を通るので現道からはどう見ても旧道には見えないのだ。

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