ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>四国>高知>樫山隧道

樫山隧道

 

樫山隧道の取扱説明書

現道は樫山トンネル1本でパスするも旧道は川沿いを正直にトレースし、月谷、樫山の2本の隧道によって通されていた。内部は岩盤剥き出しの荒々しさが目を惹くも、平凡なコンクリで覆われた坑門によって相殺されているのは残念でならない。下手に加工しないで開削したままのインパクトある状態であって欲しかった。

 

樫山隧道

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

現在は全線2車線で快適な走行が約束されるこの国道もかつては物部川を正確にトレースし現代人が見れば無駄な動きに見える旧道もその昔は最も適切なルートであったに違いない。川沿いを通すという基本に忠実な線形も、時として危険極まりない断崖絶壁などに阻止され、危険回避や開削困難また地質との絡みもあろう、やむなく隧道を突くという繰り返しによって

image003.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

四ッ足峠手前までは何とか細々と繋いでいた。しかし長らくの間四ッ足峠を自動車が越える事は出来なかった。その頃は生命線として重要な役割を担っていたのが旧道で現在でも無数に転がる道路遺構を見る事が出来る。それは現道からでも簡単に見えるものや、かなり入り込まないと見えないものまで様々だが、ここ樫山隧道は現道から拝む事はできず物部川に沿って

image010.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

旧道へと入りこまねばならない。と言っても封鎖されている訳ではないので車でも進入は可能である。現道は蛇行する物部川を無視し、樫山トンネルにて大胆なショートカットをやってのけている。現道と比較してしまうと旧道はなんだかな〜と思うような方向へと誘うが、旧道は正確に川沿いをトレースしているのであって現道が合理的過ぎるだけなのだ。

image013.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

最初に登場するのが谷隧道で、物部川沿いを正確に遡上するも、突如その先の断崖に怯むかの如く舵を右に取り、断崖に道を通す事を諦め、短い隧道を突く事によって難を逃れている。月谷隧道を抜けると間髪入れずに現れるのが樫山隧道で二つの隧道はカーブになっているにも拘らずお互いを見られる程接近している。二つの隧道間に存在する僅かなポケットが

image014.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

丁度待避所のような役割を果たしている。月谷、樫山共にほぼ同時に掘削されたのだろう、連続する二つの隧道の形状は酷似しており坑門はコンクリで覆われるもありきたりな構造で装飾は全く施されていない。内部は広めの岩盤剥き出しのテボッチャーで坑門をコンクリでわざわざ覆う必要性はなかったと思うが、何か拘りでもあったのだろうか?大型車も楽勝の

image015.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

幅員を有し、樫山隧道からバスが出てきても何等違和感のない状態である。それだけ断面は大きく坑門以上に広い内部に一切の制限を設ける必要がなかったのも頷ける。この界隈に点在する隧道群では平均的な造りで、目立った特長はない月谷、樫山の両隧道であるが、坑門前の崩れた土砂が人為的に退かされているので、現在も利用されているようだ。隧道を抜けると

image016.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

再び離合ポイントが現れ、二つの隧道が連続する難所の割には比較的楽な通行であったようだ。切り立った絶壁を二つの隧道で回避し、再び物部川沿いに出た旧道は現道へと近付く。樫山トンネル脇に申し訳なさそうに取り付く旧道。それがかつての国道であった事など現道しか知らぬ者にとっては単なる枝道にしか見えずともそれは紛れもない国道の残骸なのだ。

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ