ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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川原隧道(1)

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川原隧道の取扱説明書

昭和初期、大正、明治と様々な時代の隧道を調査してきたが遂に江戸時代の隧道の登場である。しかも単なる手掘りではない。日本土木史上稀に見る貴重な物件である川原隧道とはいったいいかなるものなのだろうか?

 

川原隧道1-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

日田天領水で近年ブームになっている日田であるがここを通過する3桁国道の前進である日田玖珠往還に川原隧道は存在する。竣工は江戸時代であり国道指定など当然受けてはいないが現3桁国道の旧道である事に変わりはなくなるべく正確性を期さない当サイトの方針として旧国道として扱う事とします。

川原隧道1-2/ORR

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3桁国道から脇道に逸れ民家の間の狭い路地を進むと川原隧道への案内板が現れます。原住民の話では車では無理だが単車なら行けるかもしれないとの情報を得た。いつもの如く行ける所までは行ってみて駄目だったら歩いていくしかない。Y字を右に曲がると早速溜息が漏れるような行程が続いていた。

川原隧道1-3/ORR

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石畳とは聞いていたがおおよそそれらしくない造りの細道が続いている。ダート道に時折頭大の石が埋め込んであると言った方が正しく、過去体験してきた東海道や中山道などの石畳とは全く異なる。だがこの先に本格的な石畳が現れるのかも知れない。民家の裏手へと延びる斜度のある1本道を一気に登坂した。

川原隧道1-4/ORR

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急坂を上りきると現3桁国道が緩やかに蛇行している姿が見えそれに付随する集落が一望できる。かつてこの難所を牛馬が荷を運んだのだろうか?菊池寛の「恩讐の彼方に」の小説の舞台となり全国に名を馳せる禅海が掘ったといわれている隧道、それが大分は耶馬溪にある「青の洞門」である。

川原隧道1-5/ORR

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青の洞門完成から約百年後に造られたのが川原隧道で1854年の竣工であり、明治元年が1868年であるからして間違いなく江戸時代の隧道である。竹林の中に一際目立つ直立不動の茶色い巨根がヤル気を与えてくれると思うのは我々だけではあるまい。相変わらず石畳というよりはダートに石を埋め込みましたという道が続きます。

川原隧道1-6/ORR

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やがて石がなくなったと思ったら軽が何とか通れそうだった幅員も更に狭くなり路面も湿気を帯びて半マディ状態になり気持ちいい位滑る。倒木が多いが端に寄せられ整備はされているようである。それもそのはず川原隧道は町の有形史跡に指定されているのである。年間何人訪れるのかは分らないが足跡はほとんど確認できない。

川原隧道1-7/ORR

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幅員はどんどん狭くなる一方でこの先どれ位このような状況が続くのかと不安に陥る。石畳とはほど遠い行程はまだまだ続いているようである。この先には稜線が見えてきており隧道などではなく峠越えしているのではなかろうかと思えてきたが果たして川原隧道は現れるのだろうか?

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