ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大石隧道(大石峠)(1)

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大石隧道(大石峠)の取扱説明書

この隧道に出会う事によって僕の人生は確実に、あるひとつの大きな目標に向かって動き始めた。自身最初にして最後に出会った最高の隧道()である事に変わりはない。残念ながら現時点においてこの隧道を越える隧道は日本に存在しない、信じる信じないは勝手だがそれが今の僕の偽らざる結論である。但し残念ながら大石隧道には寿命があるそれも、そんなに遠くない将来だ。前倒しで報告書に起こしたのも本物を知って欲しかったからに他ならない。もう一度言おう、この隧道を越える隧道は日本に存在しない

 

大石隧道(大石峠)1-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ここ3桁国道大石峠には奥耶馬トンネルが突かれており、現在は快適な2車線での峠越えとなっている。昭和503月開通だから、かれこれ30年近くが経っている訳である。それ以前は峠越えをしていたのかというとそうではない。大石峠には現在市販されている地図にもしっかりと掲載されている古い隧道が存在するのだ。

大石隧道(大石峠)1-2/ORR

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それはあたかも現役で使われているかの如く何事もなかったかのように、ほとんどの地図に記載されたまま現在に至っている。しかし実際はどのような状況かと申せば事実上車両の通行は不可能に近い。無理をすれば通れなくもないだろう。かつては車が通行していたのだから・・・。だが左上に続く民家に進入するような路地が旧道ですよと言われて突っ込んでいく勇気があるだろうか?

大石隧道(大石峠)1-3/ORR

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普通車では1発で曲がりきれないこの状況に9割方の人は諦めるに違いない。進入した所でこの狭さだ。歩行者との離合もままならない幅員に溜息さえ出るだろう。舗装されているのが唯一の救いだが、それも最初のカーブまでだ。アスファルトは無情にも消え失せダートへと変貌する。

大石隧道(大石峠)1-4/ORR

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しかも流水により抉られた路面に無秩序に配されたラインにより否応なしにタイヤが取られ、まともに前進する事さえままならない。更に握り拳大の石が散乱しており、路面状況は悪化の一途である。この時点で普通車は断念せざるを得ないだろう。最も転回場所さえなのだが。この状態で何故いまだに市販の地図に掲載され続けているのだろうか?

大石隧道(大石峠)1-5/ORR

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実走調査云々を疑る前にこの道の遍歴について少しだけ紐解いてみよう。現在の3桁国道は日田往還とも呼ばれ古くから使われている街道筋を国道に昇格したものであるが、ここ大石峠にかかる奥耶馬トンネルが完成する以前の国道は実は別のルートを経ていた。それが県道720日田山国線、これが旧国道なのである。だがその行程は狭く厳しい。

大石隧道(大石峠)1-6/ORR

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そこで新トンネルを中心とした高規格道路により新たなバイパス的ルートを造る必要に迫られた。そこで目を付けられたのが大石峠である。大石峠直下に奥耶馬トンネルを突き、それを中心として大幅なルート変更が成された。こうして大石峠には古くからある一般道の大石隧道と最初から国道というポストの奥耶馬トンネルという異色のコラボが形成された訳である。

大石隧道(大石峠)1-7/ORR

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大石隧道は国道指定のないまま国道トンネル上に存在する旧トンネルという位置付けを余儀なくされ、地図上からはあたかも旧隧道のように読み取られがちだが、実際は一般道にある単なる隧道である。と、現地へ赴くまではそう思っていた。あの暑い夏にこの隧道に出会うまでは。

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