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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜道路格闘家へなりと闘う鉄馬ヘナリワンの軌跡〜

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トップ>隧道電撃ネットワーク>九州>大分>滝部隧道の実走調査レポート

滝部隧道(1)

★★★

滝部隧道の概要

アマテラスオオミカミ(姉)は突如高天原に降臨したスサノオノミコト(弟)に疑心を抱いた。こいつまた何かやらかしてくれるなと。所謂女の直感である。確かにスサノオは手に負えない荒くれ者。だがスサノオは身の潔白を見事証明し、アマテラスはゴムパッチンの刑に処される。見事顔面強打したアマテラスは、余りの痛さに岩屋戸に隠れてしまう。これに気を良くしたスサノオは、田を荒らしたりウンコを撒き散らしたりと、やりたい放題の悪行三昧。いくらアマテラスの弟とはいえ許せん!ブチ切れた八百万の神は、スサノオをロープでグルグル巻きにし、逆バンジーで出雲へ飛ばしたとさ。このような茶番ゲリオン(通称:チャバ)から始まった我が国の余りにも壮大なスケールの創世記が語り継がれる神話の里へと続く主要県道の途中にそれはある。市販の地図からは完全に抹消された幻の滝部隧道は確かに実在した。神の悪戯とも思えるその異様な姿に息を呑むのは必至。あるあるとは聞いていたが、まさかこんな形状の隧道があるとは・・・

滝部隧道1-1

◆滝部隧道1−1:

日本一の隧道の町、通称レンコンの町と呼ばれる大分県は竹田市内を起点とする県道8号竹田五ヶ瀬線は、五ヶ所高原を経て、宮崎県の五ヶ瀬へと至る長大路線で、国道が通じない地域を繋ぐ重要な役割を担う。

一応主要地方道なる肩書を持つが、その実態は網目の如し張り巡らされた地域密着型の一般県道と何等変わらず、実際に大分・熊本・宮崎の三県を繋ぐこの県道8号線を縦走してみると、紆余曲折する歪な線形による水増し分の影響は思いの外大きく、ガスも時間も無駄に垂れ流すトンデモナイ県道であり、地図上からでもそれは容易に想像がつく。

滝部隧道1-2

◆滝部隧道1−2:

必要に迫られない限り積極的に利用したくはない峠越えの狭路は、道中最難所の崩野峠を筆頭に、所々に散りばめられた未改良区によって、ドライバーは苦い思いを強いられる。

急ぎ旅であれば尚更で、地図のみで最短コースと踏み、

一部改良が成されてはいるが、神話ブームと隧道ブームが同時に発生しない限り、全線二車線化は

この先百年経っても叶いそうにない。人影は皆無で静寂を切り裂くように赤カブがやって来た後は、しばらく絵画の如し辺りは微動だにせず、再び忘れた頃に軽トラがやってきてハッと我に返る。そんな地元車両のみが行き来し交通量もまばらの地域密着型道路としての側面が強いこの県道が、かつての官道であると中尾洞の古老から聞かされた。その官道の側面にぶち抜かれた大断面のトンネルに、僕は

滝部隧道1-3

◆滝部隧道1−3:

これまで旧道の存在などこれっぽっちも疑った事など無かった。見ての通りシンプルで無機質な形状と、歩道まで完備したコンクリの塊は現代工法を象徴する構造体で、無駄を極力削ぎ落とすとこうなるというお手本のようなトンネルが突かれている。県道に沿うようにして長く続く幅は短くも高く隆起した小山が、ここにトンネルを突かせた訳だ。かつて滝部トンネルを抜け県道にぶつかった交差点はT字路であったと

滝部隧道1-4

◆滝部隧道1−4:

記憶している。それが今ではその先に橋が架けられ広域農道が通された為、信号機の無い十字路となった。当時の地図には既に滝部トンネルしか描かれておらず、そこにぶち抜かれた巨大なトンネルに何の違和感も憶えず、むしろそれが自然とさえ思えた。その後も何度かここを通過する機会に恵まれたが、注意深く観察するようになってからも、僕はことごとくここを素通りしている。何故ならば元々存在していた

滝部隧道1-5

◆滝部隧道1−5:

古い隧道を改修して現在の形にしたのだろうという勝手な思い込みがあったからだ。それに加えて旧道らしき入口も見られなかった事が、今日まで本格的な調査に着手しなかった理由だ。だが中尾洞で気分を良くした僕は、この際滝部隧道も白黒決着をつけておこうと、ダメだしのつもりでやってきたのである。だが銘板がそれを白紙撤回させた。新滝部トンネル?改修後の名称が隧道からトンネルへと変更された

滝部隧道1-6

◆滝部隧道1−6:

例はあるが、頭に新まで付けられているのは記憶にない。新があるからには旧がある。やはりそう考えるのが自然だ。だが十字路からはどう見ても旧道など見当たらない。反対側には何等かの痕跡が残っているかも知れない。そう思うや否や新滝部トンネルを潜り、振り向くと真正面に新トンネルの坑門を見据え、辺りを注意深く観察した。するとどうだろう、両脇に派生する怪しい枝道が三本もあるではないか!その

滝部隧道1-7

◆滝部隧道1−7:

中のどれかが旧道なのだろうか?だがどれも旧道っぽさは微塵も感じられない。まず右脇のコンクリ簡易舗装路を疑ってみたが、そいつはすぐに行き止まった。次に左脇の二本であるが、一本は下の畑へと下り、峠に背を向ける形で回り込んでいるのでアウチ。残るは0.5車線のアスファルトであるが、とても旧道には見えない。やっぱり旧道なんて無さそうだ。

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